なつぞら/〜第15週

脚本:大森寿美男

すごく楽しみにしてるわけでもないけど、先週からのはなしはすごく良かった。ちょっと泣けてしまった。

以前引き取られていた家から千遥がいなくなっていたことを知った時に、なつ(広瀬すず)が「あんな子供が一人で生きていけるなんて、そんな奇跡は有り得ない」って言ってたけど、この兄妹はそれぞれが奇跡に護られてちゃんと大人になったんだよね。千遥(清原果耶)が今幸せだというのはきっと嘘では無くて、でも「きっと姉にはかなわない」というのは本心なんだと思う。「育ててくれたおかあさんが善かれというなら、なつや咲太郎(岡田将生)と別れても結婚しよう」と思うのは千遥が置き屋のおかあさんの気持ちを信じているからだし(そんな仕事をしていた人だし、単純にお金や家格で縁談をすすめたりしてないと思う)、でもなつが受けてきた愛情は、家族の気持ちを受け入れた上で、「それでも自分は自分の夢のために生きたい」と言える種類の愛情だから。

すごく良かったのは千遥が紫田牧場から消えたのが「会ってしまったら離れられなくなる」からで、その手紙にあの絵を書いてあることで、「声を聞いたらみんな思い出した」というのがほんとのことだと分かることだよね。なつと咲太郎の支えが家族の絵だったのに千遥の描いた絵はなつと咲太郎だけで、自分がその輪に入ることをナチュラルに諦めてることがまた切ない。

夕見子(福地桃子)がごちゃごちゃ言ってたけど、千遥は自分の意思で結婚を決めたんだと思うんだよ。けして「自分の幸せをあきらめた」とかじゃないいんだけど(彼女が不幸になることを、育ての親が望まないだろう、ということを含め)、でも「本当はどうしたい?」と聞かれるなら答えは別にあるんだろうね。

そういう意味で、私は千遥の絵を見た時から子供のなつと千遥が柴田牧場で育つ姿を思い描いている。そういうifがあったなら良かったのに、と思う。

みんな幸せになって欲しいよ。