わたしたちの教科書#10

身も蓋もない現実に対して、その身も蓋もなさを認めないといいつのるとはどういうことか。結局戸板の言うように、“生徒が本当のことを知っている”という事実に対して「あの人たちなんであんなしょーもないことやってんの?」と言わせる種を蒔くことにしかならないと思うんだけど。教師にはなんの力もないことくらい生徒の方がずっとよく知っていて、それでも追いつめられた人間はその小さな力にもすがらずにいられないってだけのはなしだよな。その気持ちに応えられなかったことに関しては、勝手に絶望でも落胆でもしてください。
今週なにがすごかったって、父親の告発を経て陸に会いにきた珠子に「訴える」と息巻く陸の母親だよなー。陸の無実を信じるのは勝手だけど、現に存在する事実に対してあさっての方向を向いて戦うことで、その間も飛んでくる言葉のつぶてはちゃんと陸に当たってしまうわけで、いやもう戦うんだったらちゃんと正しい位置で矢面に立ってやってくださいよ。闇雲に振り回した得物がこっちに当たるくらいなら、邪魔だからかばってくれなくって良いっすよ。
「陸をスケープゴートにする気もない」という珠子の理屈も大概欺瞞だとは思うけど、現に存在する真実に平気で目ーつぶれちゃうのってなんなのかなー。
音也の事件が6年前なら事件当時は15才? このドラマはマスコミって要素はわざと無視してるんだろうけど、息子が傷害事件起こしたら報道されなくても教職で出世はまず無理っすよ。「いじめる人間を僕が処刑する」という音也の事件が副校長の態度の理由なんだろうけど、6年間も事実から目をそらし続けるのもすごい根性だし音也はたまったもんじゃないよなー。だって雨木が見ないようにしてる事実って自分だもん。ちゃんと見ろよ母親w。
ポー様の顛末はなかなか良かったです。このドラマ見ていてどうにもひっかかるのがアタマワルイ運動神経ない協調性ないの学校内弱者だった過去を持つ人間として、周りの悪意と戦うためには自分が強くなるしかないというのは実感としてあるからなんだよな。だって親や教師に助けを求めてもその目は常には届かないけど、自分の強さは常に自分のものなんだもん。
加地の善意だけを認めて無力だったことを許せるポー様強いな。思いきり短い前髪も似合ってたし、最後においしいとこをかっさらう良い役だった気がする。良かったな、かすみちゃん。
強いといえば陸も強いな。珠子の気持ちに感じるところがあったとしても、父親のことだけでも逃げ出したいと思うには十分だろうに。
まあそうして更生しつつある人間がなんぼかいても本質的な問題はそのまんまなのは明らかなんですが、いきなり出張ってきた音也くんはなにをする気でしょうか。変におびえる谷村美月との関わりも気になるとこだがあと2回?