イケパラ■女の子は無神経

志が低いと噂のオフィシャルムックが気になって買ってしまいそうな勢いの私ですが(笑。
なんだかんだ言いつつ最後まで見たのは確かだし、不快感と引き換えにしても見ようと思うなにかがあったのは確かなんで(カブトのO.Aが一昨年だったら見なかったかもなーw)、あくまで自分基準で不満点を。

まあ脚本がひどすぎるというのは不満というより前提なんでもう突っ込む気もしないんですが、結局なにが不快だったかというと瑞稀の造形なのね。堀北のビジュアル自体は私はけっこう気に入ってたんですが、ちゃんとした演出家がいないと自分で筋道立てられるほどの役者じゃないんだなあ、というのは絡みの多い生田と小栗が涙ぐましいほどの仕事をしていただけに目に余った。
女の子が男子校に、なんていうのは少女漫画としては定番なんで少女漫画として見れば「そういう設定の漫画ね」ですんじゃうんだけど、高校生にすら見えない大人の男女が演じていたらその嘘くささは倍増なわけで、だったらドラマはずっと気を使ってその設定に必然性持たせないとまずいと思うんだ。普通に考えて近付きたいから男子校に、なんていうのは明らかにルール違反なんで、今週男とバレた瑞稀にみんなが不快感表すのは当然だと思うよ。理屈としては裏口入学とかそっちの感じじゃね?
このドラマの前提として自分のせいでハイジャンをやめてしまった佐野にまた飛んでほしいという瑞稀の気持ちがあって、でもこれって理由になってないんだよね。なぜ同じ学校に、というのはその方が近付くのに手っ取り早いからだけど、だったら最初から佐野が怪我をしたいきさつを明かして気持ちを伝えるべきだよ。実際佐野はそれで気持ちを変えてるんだから。
それができないというなら瑞稀の方に「佐野に嫌われたくない」という理由がないと納得できないわけで、だったらやっぱり瑞稀が佐野を好きだからじゃないと駄目だと思うんだ。自分は佐野が好きだから、佐野がハイジャンから離れる原因を作ったことは知られたくない。それでも佐野に飛んでほしいから、ズルをして佐野のそばにいることを許してもらう代わりに佐野のそばにいる自分は男だから佐野を好きになっちゃいけないんだ、なら分かるんだけどさ。瑞稀って全然男でいることにも学校にいることにも葛藤がないんだよね。「佐野が飛ぶのを見たい」だったら自分が学校にいるリミットは佐野が飛ぶまでと区切って、だんだん自分に心を開いてくれるようになった佐野がハイジャンの調子を戻していくのはうれしいけど、佐野が飛んだらもう自分はそばにいちゃいけないんだ、とかだったら可哀想とかいじらしいとか思っただろうけど、そんなもん脚本家は忘れてたっぽいしさー。女だと佐野や中津ばかりか学校中にバレた状態で学校行くってあり得んだろ。まして男同士だと思っててもデキてるように見えた佐野と瑞稀が寮の同じ部屋で、ぬけぬけと暮らしているなんてののどこに感動の余地があるんだ。
今週ひばり様が佐野に「その人が好きか」と聞いて佐野が感動的に肯定してたけど、好きなら男子校に女子がいて良いのか。違うだろ? むしろ同じ学校にいなかったらお前ら友達でいられないのか?
だからさ。先週の結末で瑞希には「もう学校にいられない」と思わせておいて、今週は瑞稀が自分で学校を去ろうとする流れのはなしにして欲しかったよ。その上で女だとバレて、自分が男なのは嘘でも、この学校で過ごした時間が大事なのは本当だから、って流れならさ……。
今期は少女漫画原作で「ホタルノヒカリ」もあって(あれは厳密にはレディコミなんだろうが)、「なんでこんな無神経な女がチヤホヤもてるのさ」と思うこと多かったんだけど、考えてみたら少女漫画ってそーいうもんだしね。少女漫画ってそういう「ありのままの自分」を全肯定してもらうはなしなんだろうけど、テレビドラマでそれってちょっと成り立たないんだよねー。
まあ良いや。そんな感じでキャストの皆様おつかれ様でした。