良太郎★僕のため僕のせい

「このネタさっさと書かなかったら絶対乗り遅れるよなあ」と思いながら、忙しくて眠かったんでまとめないでいたら案の定乗り遅れました今週の侑斗と良太郎のやり取りですが。

私はしょっちゅう良太郎視点の読解をやっているくらいだから基本的に良太郎擁護ポジではあるんですが、今週のこれで良太郎が無神経だとかそうじゃないとか言ったってしょうがないと思うのは、元々あそこは良太郎が「けんかになっても良い」と思って絡んだシーンだからだと思うんだよな。記憶が消えても良いわけないのは分かっているけどしょうがない、おまえに言われるようなことじゃないよ、って言うけど実際今までのはなしでゼロノスが変身しなきゃしょうがないほど差し迫っていたかというと別にそうでもないと思うんだよ。侑斗が変身してたのは言ってみれば「変身できたから」で、ゼロノス登場以前の電王しかいない世界で良太郎を待っていたらとんでもないことになったかといえばそうでもないと思うんだ。その辺私は最初から言ってるわけだけど、もっと早い段階でゼロノスの変身システムとかカードが消える代償とか分かっていたら、良太郎はたぶん侑斗が変身して戦うのを黙って見ていたりはしなかったと思うんだよね。
「頼りないと思っているのは知ってるけど、僕がなんとかするからちょっと待ってよ」と良太郎言いたかっただろうなあ、と思うし、実際アリキリ編のアバンで言ってるし。
良太郎って侑斗が桜井本人なのはとっくに了解してると思うのね。それは星好きな兄妹のはなしの感想で書いたことだけど、あそこで侑斗が自分を認めてくれるなら自分も侑斗の言うことを信じようと決めたはずだし、実際その後も侑斗とそのはなしをしてないだけでそれは分かっていると思う。アリキリ編で愛理を侑斗に頼んだのなんて、まさにそういうことだと思うんだ。
侑斗は登場の時点で「中途半端なことするなら俺が変身するからおまえは出てくるな」って言ったけど、たかだか10枚のカードでやっていけるわけなんかないんだよね。その点ではリュータの暴走でみすみす1枚無駄にしたことはほんとに申し訳ないと思うけど(w)基本電王だけとかゼロノスだけで倒せた敵は、ちょっとくらいの被害は出ても電王だけでなんとかできるんだから、ってはなしで、でも良太郎がそういう心ない突っ込み方はしないのは、侑斗が自分に関する記憶を犠牲にしてでも戦っていたのはまさに「変身できるから」。良太郎自身が桜井に教えられた「できることがあればするだけ」という生き方を当の侑斗が実践しているからなんだ、ということを実感として分かってるからでしょう?
良太郎って達観して見えるキャラだから見過ごされがちだけど、侑斗に言われるまでもなく、自分が弱いことは自分が一番分かった上でコンプレックスもあると思うんだよね。意味なく一人で戦ったエピなんかを侑斗の登場前夜に置いたのはその辺わざとなのかなあ、とも思うけど、良太郎が弱いだけでなくベガフォームのように武器や必殺技があるわけでないプラがイマジンと戦うのって相当無茶なわけで、そういうことに頭が回んないくらい、「自分が弱いから悪い」という意識は良太郎にはあると思うよ。3タロズが消えるって時に意味なくトレーニングに出たのも、深層心理としてはそれもあんじゃないかな。
その辺を踏まえてゼロノスが戦う意味は「時の運行を守るため」という自分と同じ目的なのは分かるんだけど、同じ目的だったら僕が行くまで待っててくんない?、っていうのは良太郎の本音だと思うんだよね。事情が分かればなおさら。
それをいわ(え)ないのは「僕が頼りないのは分かってるけど」ってことで、でも実際良太郎が頼りなくても、良太郎には頼りになるタロズが憑いてるんだよね。ゼロノスが戦う「時の運行を守るため」という動機が結果として「電王のため」なのは分かるけど、桜井の思惑はともかくゼロノス登場時点の侑斗が「おまえが頼りないせいで」と良太郎に思っていたのは確かだし、良太郎にしたらゼロノスが戦っていたのは全部「自分が腑甲斐無いから」なんだろうけど、「自分の存在を犠牲にしてまで戦うなんて、そんなの僕は頼んでないよっ」って気分だろうな、とは思う。
この二人を見守る視聴者の視点がデネブになるのは良いことだと思うけど(w)実際この二人ってお互いに対する信頼はあっても友達でもなんでもないんだよ。ゼロノスが戦っていたのが「自分のせい」な時点で良太郎はどうしたって素直にはなれないし、侑斗自身だって「良太郎のせい」っ気はあると思う。自分の存在と迷いもなく引き換えにできるほど侑斗も大人じゃないだろうし、その辺18才くらいの男の子二人なんだから、このぐらいの気持ちの行き違いはしょうがないんじゃないのってはなしだし、今回のはなしって完全に、自分の存在と引き換えに戦う侑斗に苛立つ良太郎を見せるための演出をしてたと思うんだ。私の今週の感想は「いつまでこの二人の行き違いで引っ張るんですか靖子にゃん」ってはなしでしかないです。
後さー。この二人の仲が曲がりなりにもここまで近付いたのは、良太郎が侑斗派のおねえさま方のみならず、王道ヒーロー像を求めるおにいさま方にまで「性格悪い」と言われながら自分が折れずに侑斗に食い下がってきたせいだと思う。良太郎が「僕が悪いんだよね。君は桜井さんだよね。言われた通りちゃんと戦うよ」という態度ならもっと円満に仲良くなってたんだ、とかそういうことないと思うし、むしろ私はそんな侑斗は嫌だw。