仮面ライダー電王／第36話「憑かず、離れず、電車斬り！」

ありがとう舞原監督！
ありがとう靖子にゃん！
そしてありがとう伸ちゃん！
「いつまで良太郎と侑斗の行き違いで引っ張るんだ」とか「信頼関係を成立させるのに1クール以上引っ張るなんてライダー枠にしかできない贅沢」とかブツブツ嫌み言っててごめんよ。これ見させてもらっただけで今まで電王見てきた甲斐があったよ。
良太郎と侑斗のやり取りだけで、私が電王に期待していたものの答えが出たような回でありました。ああなんかうれし過ぎて泣けるで！　惜しむらくはデンカメンソード登場以降のやり取りがややくどくて「はよ戦わんかい！」って気分になったけどまあそこはな。

桜井がゼロノスのカードを渡していたことを知った良太郎と侑斗のやり取りの続きはゼロライナーで侑斗じゃなくデネブと。この辺りうまいなあと思うのは、戦う覚悟はとうに決めた侑斗も、友達じゃない良太郎にいちいち言葉にして説明するのはつらいんだよな。電王の面白いのはそういうとこで、人間関係の距離感がそのままキャラの行動に直結するとこ。
例えば侑斗の行動とか、一緒にいるデネブには内心の葛藤とか分かってるから言葉にする必要もないんだよね。言葉には霊が宿るから不安は口に出すことで倍加するし。そんなの口に出さずにすむなら出さずに済ませるに越したことないのさ。
自分の事情を良太郎に説明するためには、侑斗にしたらそういう内心の葛藤を覆い隠して虚勢を張らなきゃいけない。野上なんかに不安な自分を見せるなんてそりゃヤだよな。そういうことは分かってるけどでも、っていうのが私の不満だったんだけどここまでのもんを見せてもらったらなんの文句もないよ。靖子にゃんに土下座してもいいw。
そして良太郎の方だって侑斗の事情を知った上で気持ちを推し量れないほど無神経なわけじゃないけど言ってもらえなかったことに納得できるほど大人じゃないし。最初から喧嘩腰で侑斗の言葉を疑ったのはおまえもだろって言われても、良太郎は自分の弱さなんか百も承知だからこそ、その弱さを指摘する侑斗に自分からヘラヘラ愛想まいて優しくなんかできないんだよね。
今週良太郎が侑斗のカードをひったくったのって、「侑斗が自分を犠牲して戦うなんて嫌だ」っていう我がままなんだよね。そこはモモを拒んで一人で戦おうとした4話と一緒で、自分が間違っていると思うことを他人にやられるのが嫌だってだけ。4話の時にはモモ一人が折れればそれで良かったから良太郎の我がままが通ったけどイマジンは待ってくれない。
今週ようやく侑斗が良太郎に向かい合って事情を話したけど、虚勢を張って「おまえだってそのうち忘れる（そんなの今さらだからどうでも良い）」なんて言葉じゃ良太郎には届かない。「間違っててもしょうがないじゃん」なんて理屈じゃ納得できないから全力でだだをこねるわけで、でも良太郎の方でもそれがわがままなのは分かってるから今週の良太郎はすごい不安定で侑斗にもむちゃくちゃ虚勢を張ってるんだよ。
それが侑斗の方でもちゃんと本気で、それでも戦わないとって気持ちを伝えて、良太郎の方も侑斗の存在こそ自分の知ってる桜井さんが自分達の未来に託した希望なんだってことを理解して、自分は絶対侑斗を忘れないって宣言するんだ。そんなことできるかどうか分からないけど、それでも僕が決めたんだからやるって言ったらやるっていうのが良太郎なわけで（それなんてリュウタロス……w）、これが待ちに待った良太郎と侑斗の関係成立宣言でなければなんだというのでしょうw。これがこういうふうに描かれるのって、今まで描かれてきた良太郎の描写のひとつひとつ、侑斗の描写のひとつひとつがあったからこそで、イマジンと電王の戦いにはなんの影響もないキャラクター二人の関係をこんなに丁寧な時間をかけて描いてもらえるなんて思わなかった。まさに仮面ライダーにしかできない贅沢なドラマを見せてもらいました。こんなウダウダした脚本を書いてくれた靖子にゃんにも、これが良太郎と侑斗のドラマの完成なのだと思える演出を見せてくれた舞原監督にも、いつもどおりのテンションで流さずにせっぱつまった二人の気持ちをちゃんと演じてくれた中ちゃんとタケるんにも、こんなややこしい主人公をちゃんと貫いてくれた伸ちゃんにもほんとありがとうって言いたいよ。

新フォームの登場にはタロズと良太郎の関係性の変化が影響した模様。過去での戦いはずっとこれになるのか？　良太郎が大変そうだなあ。電車斬りのネーミングはともかく実情には見合ってるんだから良いじゃんv。
武器のないプラちゃんのために武器貸してくれてありがとう侑斗。だよねー。プラちゃんは弱いだけじゃなくて武器すらないからなあ。
今週ボロボロになった良太郎がデネブに止められてもモグラに向かっていって、劇場版でも同じだったけど、良太郎って弱いけど「かなわない」ってあきらめ方は絶対しないんだよね。それが良太郎最強の理由なわけでv。
「敵がどんなに強くても君がいるから大丈夫v」と再確認した回でした。あとタマちゃんがさすがだなあ。中身が大人って辺りもちゃんと見せてるし、私は子役芸はテンション下がるんで内心あまり歓迎しない人なんですが（だからスルー気味になる）タマちゃんには文句ないよ。むしろGJを送りたい。いつものじゃない服で出てきたとこの、良太郎の混乱を受け止めるような理解者の表情に泣けましたです。

ところで過去で憑けなくなった理由をみんな有耶無耶にごまかしてるけど、それ後で知ったら良太郎また怒るぞ。ちゃんと言わないと。
そして来週は新キャラ登場。竜太監督でリュータ回ってことで小躍りものですがリュータ。
桜井侑斗殺っちゃダメだよ。やっと関係成立したんだからw。