白洲次郎/第2回「1945年のクリスマス」

つーか伊勢谷友介に惚れちゃいそうな勢いで白洲次郎がカッコイイんですが。どうしてくれよう。←強情な人に弱い。
今日のはなしは軍の介入におもねる会社に身を置くことを嫌い、開戦間もない東京から田舎に越して農業に従事した戦時中から、終戦GHQから憲法草案の作成を依頼された近衛の通訳を辞して吉田茂の傍でGHQとの交渉役になる流れ。吉田の名代で持参した天皇からマッカサーへの贈り物を置いておけと言われて無礼だと怒ったはなしって有名だよね? 私この人の名前くらいしか知らなかったけど知ってたもん。
1話で戦争回避の道を探ってもなにもできず、とりあえず時機を待つべく田舎に引っ込んだこの時代は白洲にしたら己の正義から目を逸らした時代で、訪ねてきた近衛に自分にできることはないかと尋ねて今はむしろ自分から距離を置けと言われるシーンをはじめ、召集令状をもらったことを正子にも言わずに旧知の陸軍将校を訪ねて徴兵を握りつぶすシーンが出色。自分が戦地に行ってできることなどないのは分かっていても、そんなのこの時代に徴兵されて戦地に行った一般人みんな条件一緒だもんね。無意味なのは分かりきった戦いに意味をこじつけて赴いた彼等にそれから逃れる術はなくて、それが分かっているから自分は逃れた白洲はその運命を背負うしかない。この時代の日常でしかないような、言ってみれば誰もが背負っている不条理から自分だけ逃れた白洲は逆に全ての人の悲しみを背負うしかないわけで。
だからこそ戦争が終わった時、白洲は自分にそれができるのかというジャッジをする上で保身という要素を入れられなかったんだと思うんだ。
正子が青井に言われたことってケンブリッジで白洲が言われたことと同じで、同じことを言われて気持ちが動く辺りやっぱこの夫婦は似てるんだと思うけど、年齢差を考えてもこの頃の正子って当時の白洲より10才くらいは年嵩なわけで、それで言われたことを分かってるわけでもない辺りやっぱちょっぴりおばかちゃんな感はあるけど、まあ同じだけお利巧じゃなかったら相手になんもできないなんてこたないよな。白洲にしたら正子は必要なんだろう。
まあワタクシ南京路好きラストエンペラー好き虹色のトロツキー好きで、自虐史観と言われても太平洋戦争開戦当時の日本を肯定的には見れない人なもんだから近衛文麿も好意的には見てないんですが、どんな人にだって理想もあれば言い分もあるんだとは思ったよ。
最終話は8月。吉田役の原田さんの体調不良による撮影延期が理由らしいです。NHKは豪気だなあ!
でもすごい楽しみだ。つーか再放送してくださいよNHK