アイシテル〜海容〜/10(最終話)

自分が不当にひどく扱われていると感じた時に、周りに腹を立てるのは容易い。でも自分が不当に手厚く遇されていると感じた時に、自分に腹を立てることは難しいし、その気持ちを整理することは大人でも難しい。
私はキヨたんみたいな子供は大嫌いなんで、ああいう人の傷をえぐるような言動が暴力行為ほどとがめられないのはどうなのよと思うけど、まあだからって殺して良いことはないからねえ。ある意味智也は、殺してしまったことによってキヨたんに腹を立てる権利を失ったわけで、そういう割に合わないことになるからキレるのも程々にね、ってはなしなんだけど。
智也はもともと聡明な子だし、自分のしたことを社会的に把握すれば、父親が会社辞めたこととかおばあちゃんの塾から生徒がいなくなったこととかと自分の存在を繋げて認識するし、でもそういう負い目を背負っているくらいなら、ずっと罰を受けていたい、っていうのは間違っているよな。というか、赤ん坊に指を握られた智也が命というものを実感したところで、智也は自分がしたことの状況を認識しているところから、自分がしたことの本質を理解したんだと思うし、それは12才の子供が背負っていくには重い罪だと思うけど、でも背負っていくことが智也の責任なんだよね。
それぞれの家族がそれぞれの新しい状況を受け入れてすれ違うラストで、お互いに誰も気付かないラストは良かったと思う。一番分からんちんだった佐野史郎が最終回に奇しくも言ったが、誰かを憎んでもどうにもならないんだよね。
しかし嘉数君は見っけもんでした。またチェックする子役がひとり、って、なんか不毛な人生だな私(θωθ)~*