ハガネの女season2/#5〜7

いや毎度変わり身早くて悪いんだけど、水島(斎藤工)のドラマが面白くてさー。
前シリーズがどんなはなしだったかというのは記憶もおぼろだし、見直す暇もないから印象でものを言うけど、生徒の問題や反感にハガネ(吉瀬由里子)が直接対峙した前シリーズに比べ、今度のはなしって問題解決の手段(“簡単に解決がつかない”という認識も含め)はハガネの存在以外にあって、ハガネはただその事態を見守ってる感じなんだよね。そういう単純ではない事態をけして見捨てたりあきらめたりしない、という意味での主人公が真ん中にいる安心感はあっても、実はハガネの主人公性って前回ほど守られてないと思うんだ。
その上で今回のシリーズが面白いのは、自身を“幸福でない子供の成れの果て”だと自己認識している水島が、生徒のために奔走するハガネを見守ることで、過去の自分が救われた可能性に気付く、自分の“救われなさ”が決定的なものではないと認識していく姿を、カウンセラー上川(片岡愛之助)との直接的でない会話とか、微妙な変化の積み重ねで描いてるとこだよねー。それはほんとに些細な、気付かれることを期待していないみたいな描き方だけど、ハガネの気付きを描いてる時点で、確実にドラマの中に存在していることが分かる描き方だっていうのが。
まあ水島君ってけして良い人じゃないと思うけど、斎藤君がこういうなつらるに心ない人にずっぱまりだからなあ。子供のドラマもハガネがなにをしようと親が理解しないと子供は救われないって辺りをちゃんと押さえて描いているし、生真面目でハデさはないけどこの地味さは嫌いじゃないよ。