カーネーション/〜第17週「隠しきれない恋」

脚本:渡辺えり 演出:田中健二
更新さぼりまくりですっかりアクセスの減ったうちが、綾野君のおかげでアクセス倍増です。周防さん(綾野剛)良い役だもんなあ(^_^;。
いやしかし。「カーネーション」はすごいです。これすごいよドラマとして。
糸子(尾野真千子)が小篠綾子なのは分かりきったはなしで、あの人自身そこそこ露出も多い人だったけど、そういう記憶にある実像が邪魔にならないくらい“おはなし”としてちゃんと成立してる。脚本の上手さもあるけど、演出も映像も役者もみんな上手いよなあ。このおはなしにすんなり入れる理由として、この一見傍若無人で言われんことなしの小原糸子という人物が、実は一番奥に抱えたものを他人に言えずに呑み込んでしまう人間だということを役者や映像がちゃんと見せていて、周防という人物が糸子のそういう人間性を理解共感する人物だったことが、この中年男女の不倫ばなしを清潔なものに見せてたと思う。
いやほんと上手いなと思うのは、糸子が周防に興味を持つきっかけが戦後間もない日本じゃ誰も履いていないような輸入物の靴で、それが空襲で焼かれた家から周防の妻が持ち出してくれたものだってことを最初に語らせたことだよな。周防がそういう“身に付けるもの”への一種馬鹿げた執着を糸子と共有できる人物で、かつそういう個性を理解共感する妻がいること、それにちゃんと感謝している人間だってことを前提として見せてたことだと思う。そういうのがあるから、糸子の気持ちを受け入れた周防が家族のことも捨てられないなんてはなしが「けっっ」ってならないんだよな。
っていうかさー。周防という人物の破壊力はやっぱ綾野君の手柄だよ。私これ見てホント、“どんな女でも5秒で落とす”秀人を綾野君じゃなきゃダメって言い張ったオグリンは見る目あると思った。系統として同一路線。そら誰だって周防にだったらホレるわー(笑。抱きしめた糸子の肩に頭乗せる仕草とかそらーホレるわ(笑。
その二人の恋の完結編であるテーラー周防開店の下りはすげー名編でした。お互いへの気持ちとかそういうのを語る直裁な表現は一切使わずに、すべてがそこにそんな風に在る意味を語って見せる。このキャラに綾野君を連れてくるNHKはほんと分かってるわー。
ほんと良いモン見せてもらいました。NHKありがとう!