八重の桜/第5話「松陰の遺言」

脚本:山本むつみ 演出:一木正江
安政6年(1859年)八重(綾瀬はるか)14才、覚馬(西島秀俊)31才、尚之助(長谷川博己)23才、容保(綾野剛)23才。 *1
今週一番泣けたのって、襲撃の後山本家の厨房で煮炊きしてる下女が涙ぐんでた場面ね。なんかああいうのすごく良いなあ。
私はうらさん(長谷川京子)お気に入りです。地に足着いてて自分がどこにいるのかよく分かっている。その上で家族への愛情とかちゃんとあって、そのために働くのが自分の役目だと本気で思ってる。自分の夫(覚馬さん)を守るために刀持った男を本気で止められて、それで初めての子供を流すことになっても「旦那様に申し訳ない」と泣くことができて、次の日にはいつものように働くことができる。こういう人がいるから、男どもは世の中のことを考えていられるんだよねー。子を流した翌日にいつもどおりに畑に出たうらさんが、八重と三郎(村山謙太)が自分の豆に支えしてるの見て泣いちゃうのがすごい良くってさー。こういうシーンのすぐ後に松陰(小栗旬)の刑死のシーンがあるのがなんつーかすごいなあ。
小栗旬の松陰はすげー良かった。小栗旬本人の素が反映されたみたいな、理想があるからこその偏狭さとか暴走とか、享年29才の年齢とか合わせて、松陰のある意味愚かな生き様がなぜそういうものだったのかってところがすげー腑に落ちた。出番は短かったけど良い役だなあ。オグリンならではの良い松陰だった。このドラマほんと役者が良いわー。
そして早くも桜田門外の変井伊直弼榎木孝明)が死んでしまいました。でもこの水戸浪士たちだって、本気で国を憂いて理想のために藩まで抜けてんだよなー。どっちが正しいとかそんなはなしじゃなくて。
そんな中、国を憂いても無力な覚馬のジレンマとか、おめでたく水戸討伐に傾く江戸表とか、覚馬の手紙は見てなくても本来の筋として水戸を討つことに反対する容保様とかすげー良かった。特に容保様は井伊直弼との親交とか描かれてただけに、それでも国のための発言をする人物像とか、映ってるのは評議のシーンなんだけど内心の葛藤とか自分自身の悲しみを抑えての発言なのがすげー分かって、なんか地味だけど見せ場だった。すまん。ちょっと惚れ直してしまった。←ちょっとかよw。
まー「容保様ってそんな発言権あったん? つっか前の描写といい、若造のくせしてそんなんやってるから貧乏くじ引くんだよー」とかは思ったけどねw。
そして案の定来週は容保様決断の回。どんどん面白くなるなあこの番組はw。

*1:生年より単純計算