ロング・グッドバイ/〜最終話

脚本:渡辺あや 演出:堀切園健太郎

まあなんというか、徹頭徹尾綾野君を美しく撮ったおはなしであった。それが良いとか悪いとかじゃなくて、初回のクレジットで衣装が北村道子さんなことに気づいた時に、「ああそういうドラマね」と思ったというか。
なんつうかさ。登場人物に共感できないのは結局1話の時点で、磐二(浅野忠信)は保(綾野剛)を呼び止めなかったじゃないかと思っちゃうからです。死んだ保の無実を信じることはできても、共に生きて保の生の指針になることはしない、その真意がどこにあるのかは分からないけど(たとえそういう生き方をすることで保が危険な目に遭うことを畏れたんだとしても)、事実として磐二に見捨てられて美しい生き方をあきらめた保と、その無実を信じる磐二の今更何の意味もない思い入れのはなしだからこそ、このはなしはあくまでも美しいんだなと思うし、美しいだけのはなしは観賞用だよねってはなし。
でも観賞用で悪いかっつったらそんなことはなく、原田保の美しさこそが人生をあきらめた男の不幸の本質を現していたと思う。ほんとこういう綾野君は見ててほれぼれするよ。