11話追記

うーん。「今渋谷に簡単に入れる」ことよりも「渋谷が今どうなっているかに11話まで言及がなかった」ことの方が、作品の穴としては大きいと思うんだけど違うんだろうか。少なくとも私がアンチなら後者を攻撃する。まあ今11話を叩いている人たちは、カブトという番組を叩きたいわけじゃないのかも知れないけど。
渋谷の状態は予想通りというか、ああいう描写が既にあったくらいの勢いで違和感なかった。1話冒頭で封鎖されている様子は映されたけど放射能汚染みたいなものがあるわけでもないんだろうし、雨露しのげて警察がこなけりゃ入っていく人はそりゃあいるよね。もちろんまともな人間は入らないだろうけどホームレスとか犯罪者とか借金取りに追われてる人とか。
6年だか7年だかたってることから考えて、中にいるのは被災者とかじゃなく後から入った人なんじゃない? そこは青木ヶ原樹海のノリで、そういうところに入りたい人もいるだろうし、だからこそ関わらないのが「渋谷で生きる者の掟」なんじゃないかな。
「バイオレンス・ジャックかよ!」ってはなしではあるが、「封鎖された地域に普通には生活できない人間が住み着く→まともでない人間が住んでいるからまともな人間は近付かない場所になる」って、社会的な理屈にかなった現象だからオリジナリティの問題ですらないし。
あと今回すっかりギャグ回ってことにされてるけど違うでしょ。演出が暴走気味だから笑いどころが多かっただけで普通にはなしは本筋だし、天道のキャラもむしろこっちが本来の姿だった気がするんだけど。
私自身にとっても天道のキャラは最近の「俺様だけど人格者」って路線の方がストレスなく見れていたのは確かだけど、天道ってもともと鼻につくくらいの俺様だったし、変な人は周りからも変な人だと思われなきゃ嘘だと思う。
まあ初期天道の俺様が鼻についたのは演じる水嶋君が「こいつ俺様だなー(-_-;」と思って演じていたせいもあると思うが。今週の天道は俺様だけど可愛い俺様だったし。
そういう感想を持つことで「井上儲乙」と言われるならそれでも良い。実際今週見て「あー。やっぱ井上脚本って上手いー」って思ったもん。米村さんのが好きだって人に文句言う気はないけど、やっぱメインライター張るなら押さえなきゃならないところはちゃんと押さえてくれってすごい思うし。
加賀美の弟とか矢車ザビーとか、展開が早いからはなしが進んでるように見えるけど、基本的な設定の説明がないことでは、響鬼とそんな変わんないと思う。