仮面ライダーカブト/第12話「化粧千人斬」

前半でフェミニストだった風間大介が後半では女好きになっているとか、細かい部分にアラは見えるが面白かったからまあ良いか。フェミニストと女好きの違いはしょせん男には分からないわね、( -_-)フッって感じ。さすがの敏樹様にも分からなかったとはやや意外だが。
でも前半で描写されたツンツン天道の理由が明かされる描写はさすがだった。「友情をいいわけにして俺を頼るな」「今度うちに来い。うまいものを食わせてやる」のくだりは555のピザ屋ばなしの「おまえ、名前は?」に並ぶ名シーン。
しかし田崎監督の演出には総じて滑り気味の感もあったり。元々田崎監督は私にとって面白いツボをついてくる辺り好みは似ているんだろうけど、出してくるものが好みなわけじゃない、という微妙な人なんだよね。井上脚本との相性も微妙だし。良くも悪くも、敏樹様ほど人間があざとくないんだろうな。

まあメイク完了時点の圧倒的美しさを描写するのは大変だったというのはよく分かる。ドラマで不細工を表現する記号であるデブはこの際使えないし(メイクで体型は変わらないもんな)、テレビに出てくる女の人は美人がデフォだから映っていても「ああきれいだ」なんて視聴者は思わないもん。
その辺り、風間の職業をメイクアップアーティストにした時点で外しているんじゃないかっつーはなしだけど、別にメイクの腕の良さなんかムキになって描写することもなかったんじゃないかと思うんだ。

むしろこの2話で感じたのは「カブトって最初っからコメディ路線でやってた方が良かったんじゃない?」ってことで、その意図は天道のあざといキャラとかIT社長のはなしの警察描写とかでいろいろ感じられてたんだけど、米村脚本はたぶん本人には鬱なはなしを書いているという自覚はないんだろうと思うしかないくらいに根っこが鬱だから、見ている方の「平成ライダーははなしが暗い」という共通認識もあいまって素直にコメディとして認識されなかったんだよね。
視聴率もやや下がり気味らしいし、この際大幅にコメディモードにシフトしたら?
またてこいれとか騒ぐ人もいるだろうけど、特撮界すべてを牛耳る敏樹様が番組を乗っ取ったことにすれば良いじゃん。<本気で言う人がいるところがあれだ。

総じて敏樹様参戦の割には満足度は低かったなあ。脚本自体もイマイチだったし。
加賀美パパの「ちょっとだけ面白い」はちょっとだけ面白かったけど、龍騎の北岡登場回みたいな「なにが起こってるの!?」みたいな劇的な変化は番組からは感じられなかった。カブトって番組自体がテンション低くて暗いからはじけないんだよね。演技経験少ないはずの人たちまで妙に達者な演技をするのがあだになってる気もする。立ち食いそば屋の岬と加賀美のシーンなんて、なんであんなにテンション低いんだ。あそこ笑うとこだろ?

今週面白かったのはスクラッチくじでムキになる天道。こういうキャラのとっぴな行動を役者の演技ですりよせる辺りはさすがの職人技。
しかしおあいそした時点で食ってなかったオーダーを片付けてたのはクロックアップして食ったのか?
あと大介の集めた女を自分の方にかっさらってくなんて、そんな北岡先生みたいなやり方はちょっとどうかと思ったぞ(cf.漁父の利)。つーか。学校にもいかず仕事もせず、女性からの圧倒的支持だけは得ているって、おまえどんな生活してるんだ、天道(笑。

大介の最後の行動は、天道が倒したワームが擬態してたのがあの女性だったせいもあるんだろうね。その辺り、女子大の下りを減らしてもっと描写しといた方が良かったかも。そうすれば「量より質」発言もまた違うものになったし。
しかしバラやらキラキラやら使いまくった大介のアルティメットメイクアップ描写より、今週一番美しかったのは「友達という言葉の持つ危なさが」のシーンの天道のアップってどうなのよ。
田崎さんったらロリの上にホ……(暴言につき自粛)。

来週は矢車さん復活の模様。ああいうキャラの方がこの番組には合ってるのかもなあ。
あ、今週最大の不満として大介がメイクした加賀美の顔は、ちゃんと「あり」にしておいて欲しかった(笑。