黒い太陽/最終話

かなりバカの千鶴とすげーバカの立花が組んだ時点で結末は見えてたけど。菊田にかまけて金なくす展開はさすがにどうかと思った。
序盤で楽しませてもらった割には後半グダグダも良いとこなドラマだったなー。立花バカ過ぎ。日本の警察は親の死に目くらいは合わせてくれる気がするけどね。後で面倒だから。いっそ立花のせいで久美子が謹慎している間に容態が変わって死に目に会えない、ぐらいの方がえぐかった気が。
冬海のために千鶴を切るなら笑子のためになぜ奈緒が切れない。立花がなんでバカに見えるかって、立花誰も説得できないじゃん。自分に惚れてる女も言いくるめられない男が悧巧に見えるかっつーの。
まあ立花は最初っから好きなキャラじゃなかったから失望したとかじゃないんだけど、ドラマってどんなもんでも主人公が立ってないと出来が良いとは言えないと思うんだ。脇キャラにでも入れ込めばそれなりの視聴モチは維持できるけど、そういう脇キャラ萌えで見てたドラマを「面白い」と人には言えないつーか。「こういう役で出てるこの人が良いんだよ」みたいな言い方はできるけど。
今回のはなしでいえば笑子は最後まで立花を思うけなげな女を演じておいしいとこ持ってったよねー。千鶴は最後までバカだったけど。立花のせいで落ちたような言い方するけどあんた最初っからキャバクラ勤めてたじゃん。親の借金抱えて夜はキャバクラでバイトしてるOLなんて、しょせんそう幸せな人生歩まなかったと思うよ。隠し事のある人生はどっかで破綻しますさ。
長瀬の言うようにキャバクラ一件しかないわけじゃない藤堂グループが、冬海一人抜けたくらいで閉店するほどの事態になるとは思えないし、たぶん一時的にでも立花に負けていることを藤堂が気分的に許せなかったんだろうけど、立花の店はあのままやっていけるとも思えないしラストの祝勝モードというか藤堂側の敗北モードに違和感。中の人の演技というか演出の問題だけど、ホワイトイヴの閉店はしょせん一時的な勝ちでしかないというのを藤堂や長瀬の余裕かました態度で思い知らされて、笑子も千鶴も失った自分が手にした勝利の空しさを噛み締めたところで父親の容態が変わったと連絡、とかの方が好みだったなあ。立花が自分の成功のために女たちの気持ちを手玉に取れるくらいの色悪で、それでもどうにもならない事態に陥ったために冬海にすがる、とかの展開だったならまだしも立花は目の前に転がってきた女の持ってる売り上げに後先考えずに飛びついて自分の首を絞めるという繰り返しで、今週だって冬海が移ってこなければ負けるしかなかった頭の悪さだから藤堂側があの敗北モードだと、「この程度の敵に振り回されてたのか」としか思えないのだよー。
脚本家のブログで後から変更言われて書き直してたって言ってたのって、ラスト立花が死なない展開だったのを続編作りませんよの意思表示で殺したのかな。深夜ドラマのわりに視聴率も良かったし、原作も続編出てるから逆かと思ってたけど、どっちみちこの後半の展開なら続編はいらないなー。やっぱ全体的に演技がいまいちな人が多くて、正直ストーリーの把握が困難だった。事実の流れは分かるけど心理的背景が分からないつーか。たとえば先週病室で父親に立花が成功して設計事務所作りたいって言ってたシーンとか、昼の世界への未練なのか、そういうのを忘れられない黒くなれない立花の描写なのか、全部あきらめた上で父親には嘘でもきれいな息子でいたいのか。中の人への愛があったら、そこらは脳内補完で泣けるのかも知れないけど。
そもそも警察に通報したのが菊田なんだろうから、刺しにくるのはあり得ないよねえ。なんか後半で前半のキレモノメンバーの凋落ぶりが、藤堂の見る目のなさの描写になっててがっくりって感じ。
前半楽しませてもらったことを感謝すべきなんでしょうか。なんか複雑。