DEATH NOTE the Last name

いや面白かった。2時間半くらいあったらしいけど、退屈することはなくあっという間だった。
つーか1回目上映見にいったらチケ売り場が長蛇の列でマジびびった。入ってみたら半分くらいしか入ってなかったんだけどな。
「おまえらほんとに前編見たのかよ」とか思いました。
以下ネタバレにつき隠します。
つーか「2週間以上監禁されててこの丸さってどーなのよ、月」というのと、「やっぱミサに戸田恵梨花はミスキャストだった気がするなー」という他は不満もなく、これはかなりよくできた映画だと思います。脚本が良いね。
戸田ちゃんはやっぱミサをやるにはキャラが大人し過ぎたと思う。清楚な黒髪ロングや表情の乏しさもあって、ミサの考えなしな感じが出てない。ラストの月がパパの名を書くことに驚く場面ではミサが月の名を書いて殺すのかと思ったし、そのくらいは考えて当然のキャラに見える。
むしろ原作の設定にこだわらずに、月の同級生で家族を殺され、それを裁いたKIRAが月なのを知って狂信的になる、なんて設定の方がはまった感じ。家族殺されてアホみたいにアイドルやってられるキャラには見えないよー。監禁拘束シーンはほとんど出オチといって良いくらいはまっててエロかったけど。
藤原君の演技はネットでは絶賛されてるけど、むしろ藤原君ならもっとできたと思うなあ。ノートの記憶をなくした白ライトと分かってやってる黒ライトの違いなんか演技じゃさっぱり分かんなかったし、分かりやすい狂気の演技で点数稼いだ感じ。むしろ月との決着にこだわって命を捨てるLの松山君の方が、狂気の演技としては静かで怖かった。<「命を賭ける」どころか確実に死ぬのが分かってて勝負にこだわるのはアタマオカシイよ。
サユの満島ひかりが意外と良くて、この辺の気心知れた手持ちキャストの方が使いやすかったのかといううがった見方はしたくなりました。戸田ちゃんには悪いが、戸田ちゃんがサユと同じレベルで駄目だしされたらもうちょっとやれていただろうと思うレベルの仕事だったから。
月パパはわりと軽妙なイメージのある鹿賀さんってことで、重厚な強面イメージの原作総一郎とは違和感あったんだけど後編見て納得。原作の総一郎が良いとこ取りである意味幸せに死んだのに対し、家族にも言えない真実を背負って、たぶん警察での立場も捨てて(ラストで電車通勤してたのは、警察辞めた描写だよね?)それでも月への思いは当たり前にあるリアルな父親像は、原作の絵に描いたようなナイスミドル造形では出せなかったと思う。自慢の息子が狭量な独善の果てに堕落して、理想の実現ですらない自己保身のために自分すら殺す人間だと知った後に、そういう存在に育てた重さを背負ってその考えを否定する姿は普通に泣けました。金子監督の大人はほんとに良いよー。
高田清美の造形は、いかにも良識ある口振りで正義の人を気取っているけど実は身勝手で底の浅い人物像をあのbitchな部屋着で上手く見せてたと思うな。ただの足好きにも見えたけどw。
月が高田清美にたどり着く描写も月の頭の良さを上手く見せてたし、後編は冒頭のさくら祭りの場面からミサや月の主張が正義でないことを見せてて、登場人物の見え方に神経行き届いてるのが良かったです。
これだけの話題作を原作に、これだけちゃんとした映画にするって逆にすごいと思った。
金子監督、ブログの文章からヒットにうろたえる姿がうかがえて微笑ましいのですが(w)、今後も揺らぐことなく良い仕事してくださいw。