白虎隊

冨田君誕生日おめでとー。25才だけど大丈夫。10代に見えたよー、って、そういうはなしは置いておいてw。
東映制作のテレ朝ドラマはSHT以外良い印象ないんだけど、脚本も絵づくりもわりと良かった。気になったのは現代のシーンで顔をはっきり映さないのはわざとだと思うけど、導入部はともかくラストははっきり映した方が良かったんじゃないかなあ。
正直冨田君が出るって以外はなんの視聴モチもなく、見始めてから山下+田中のジャニーズシフトと知ってびっくりだったんだけど白虎隊自体は好きなネタでして、最初に知ったのが小学校低学年で従姉の日舞の発表会を見にいった時演目にあったプログラムの概略とあって、今日まで続く“悲劇的な誇りのための死”という好きモチーフの原型なんですよ、たぶん。
前後編5時間とあって、序盤の藩校の生活から会津戦争の敗退まで残酷なほど描写は克明。前編は薬師丸ママのヒステリックさが気になったけど後編との対比で許容範囲内に。
まあ峰治周りの描写に終始した前編に比べて、出陣から敗退まで泣けるシーンの多い後編は涙腺を刺激されたよ。
あくまでも帰ってこいと朗らかに言う母とあくまで戦って死ぬと繰り返す儀三郎のシーンも切なかったけど、出陣のシーンでも待っていると言い切る儀三郎の母は残酷だと思ったなあ。数えで17、未だ前髪断ちってことはあの時代においても一人前とはいえない年齢の息子を死なせたくない気持ちはみんな同じで、それでも帰ってこいと言えないのは武家の誇りだったり忠義だったりするんだろうけど、言える人ばかりじゃないんだよな。言い切る姿を見ることで、自分の気持ちに後ろめたさを感じなきゃならないのはなんつーかむごいよ。
ひもじいのと寒いのが一番こたえる私には、雨の中の行軍は可哀想だった。死ぬ前に食べたいものを話して笑いあうシーンも、「おまえら見つかるぞ」とは言わずにおいてやろうw。
食べ物を探してくると隊を離れる日向隊長は、隊士になにか食べさせてやりたいとの気持ちからだったとしても誤った判断だと思うけど、会津城で峰治に責められるシーンは気の毒だったね。若くして死ぬこともむごいけど、自分の判断ミスとか先に死んだ友人の命とか、共に戦うことのできない自分の体とかを悔やみながら生きてくのもむごいよな。
しかし日向隊長が離れた後の儀三郎の隊は、冨田君の勝太郎が2番手感のあるポジションで、見せ場もあったしうれしかったです。いやほんと日本の美少年だー。眼福ーーー。
あの根性曲がりのアバレブルーで世に出たくせに、純情日本少年演じる時のこのはまりっぷりはなんだろねー。
死を決意した峰治が、クマと起き上がり小法師で思い止まるシーンとか、死んだ小夜子の懐から小法師がこぼれるシーンとか泣けましたわ。それだけに会津城が燃えていると思い込んだ儀三郎の隊の自刃が空しいんだけど、全体に生きなければという理屈をちゃんと描いているので、どんどん死んでいく人たちの死を招いたのが権力を得ようとする人たちの都合だってこととか、希望が潰えた時の絶望が、ちゃんと悲劇的な死として訴えてくる。
現代の尺度からいえば愚かでしかない尺度であり死だけど、そういう生があった、という事実が語るものはあると思うんですよ。
そういうドラマのスポンサーが民主党だっていうのは微妙に苦笑いものなんですが、冨田君が出ていたおかげで見られて良かったなと思うドラマでしたね。