新はんなり菊太郎/第3話「凄い男」

連ドラ総倒れの今期唯一楽しめてる番組。「血はつながってなくて行き倒れを助けた母」を筆頭に、「捨てられてたり親をなくしたり、頼みもしないのに人が連れてきたり」という与吉の兄弟の詳細に「猫屋敷かよw!」と思わず突っ込んだが、捕らえられて帰れない与吉の消息を訊ね、「精いっぱい頑張ってくれたけど、私らがいたら食べていけないから帰ってこない方が良い」という妹の言葉が泣けた。赤の他人の与吉の善意がなければ自分はとうに生きてるはずがなくて、見捨てられても恨む筋合いじゃないと子供ながらに理解している聡明さが、与吉との生活がひねくれたりひがんだりする余地のない愛情に満ちたものだった証明で、罪を犯したのだから捕らえられて当然という与吉の本来真っ直ぐな人間性を表してた。
「盆栽を盗むような人間に誇りなんかない」という理屈は序盤から語られていたけど、誇りを捨てても生きようと(というよりは他者を生かそうと)する与吉の生き方を見て、四郎右衛門が“誇り”を語る自分の偏狭さに気づき、菊太郎に過去の自分をねぎらわれて泣くシーンが出色。
黄川田君が出てた1話も良かったし、見直す度普通に楽しめるドラマだなー。