新はんなり菊太郎/最終回「おかえり菊さん」

なんだか微妙な最終回。もともと微妙なお凛のキャラに決着をつけるためだけのはなしって感じで、ポイントになるのはお凛の家庭の事情と浪人のキャラだと思うけど、お凛がいなくなって仕事が手につかないという父親の様子も伝聞だし、浪人が菊太郎との勝負を止めた理由も不明。縛った女を見張っているのは好かないという浪人の動機がお金だったというなら、あの状況でわさび醤油の湯葉で飲む酒の旨さを語る菊太郎の言葉はむしろ微妙な気持ちにならないか? 私はなったぞ。
黒猫の婆のはなしで、ばあちゃんが江戸からの道中を無事に済ませたお凛の運の良さを言っていたけど、それは単に運が良かったわけじゃなく、若い娘が一人で旅をしていても危ない目に遭わないような宿をとれるだけの十分な路銀があったんだろうし、菊太郎だって弟のためにあえて出奔した経緯はあっても、江戸でも京都でも定職にもつかずにプラプラしてるわけだからなあ。なんかもう一歩犯罪に手を貸す浪人の葛藤とか、お凛の父親が嫁に出そうと思った経緯とか突っ込んで描写しても良かったんでない? もともとお凛の存在が、お信と菊太郎の再会を引っ張るだけのまるで説得力のないもんだからしょうがないんだけどさ。
そういえば今日のポイントはお信の強さに感銘を受けるお凛もあったわけか。だったらお信にあった菊太郎のリアクションも、もうちょっとなんかあって良かったんじゃないかなあ。
全体的には楽しんだけど最終回で格を落とした感じ。まあ良いか。