陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸草子〜

【原作】佐伯泰英「居眠り磐音 江戸双紙」
【脚本】尾西兼一
【演出】西谷真一 (NHKエンタープライズ)ほか
【制作統括】一柳邦久(NHKエンタープライズ)・安原裕人(NHKドラマ番組)

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NHK時代劇のスタッフなど知らんので、キーワードリンク貼られればもうけものと珍しくスタッフなど貼ってみる。昨日のうちに見てたんですがちょっと人間関係が把握できなかったんで。
役名と並んで役者の名が出てたり、前作夏雲よりこっちの方が外部発注っぽかったけどなあ。確かにこの画面の美しさはNHKの仕事だと思うけど。導入部のはなしが若い藩士3人のやりとりって辺りも夏雲っぽくて、でも制作費には依怙贔屓を感じた。回数も倍以上だしw。
冒頭山本塩屋柏原の演じる関前藩のイケパラ状態がちょっと笑いを誘うというか、なんでこんなに無駄にイケメン揃いなんだろう。夏雲の3人があまりイケメン感のないキャスティングだっただけに、続けて見るとどうしても比べてしまう。てか夏雲3人のうち2人はイケパラ出演者なんだから世間的にはイケメン枠の扱いのはずなんだけどさw。
まあ3人の姿の良さは彼等の上士の子弟らしい育ちの良さとか精神的な脆さはうまく出してたと思います。特に慎之輔@柏原のお馬鹿ちゃんぶりと、琴平@塩屋の自制心のなさはGJ。君たちちょっと自重しろ(笑。
でもなんか武家女性陣は好感持てない。町人も主要キャラのおこんが可愛げなくてやな感じ。建前ばっかの武家のやらしさと人情主体の町人の暖かさの対比を意図したことなのかな。それにしたら回想シーンで武家女3人が出かけたシーンで磐音の妹のもの食うシーンを舌の動きまで写したり、磐音と奈緒のやり取りもなんか現代的に過ぎたり、そもそも奈緒が言い寄られたやり取り自体、ああいうのは家同士の体面の問題でもあるだろうし、奈緒が言い寄られたのなら舞が実家の父に言うものなんじゃないだろうか。謝罪したいと言われて武家の妻女がよその男と単独で会うとかあり得なくない? 最初てっきり言い寄られたのは磐音の妹なのかと思って見ちゃったよ。それならギリギリ舞が出る幕じゃないから家を通したくないとか、子供なので事態の深刻さが飲み込めなくて家に言いたがらないとかで納得できるし、事件の後で磐音が出奔するのも発端が妹だから合わせる顔がないとかで納得いくんだけど、今のはなしだと琴平の家がこの後困窮するのは分かりきってるんだから、藩に残って2人の家に手を貸せるように自分のつらさは耐えるのが筋なんじゃないかと見えてしまって、そもそもこのはなしの基本構造自体が私の道徳観から外れてんのかもって気はする(笑。
でもまあ磐音の世話を焼く長屋の人たちとか良い感じなんでそっちは楽しみ。山本耕史は全然好みじゃないんでなんとも思わないけど相変わらず色男設定に説得力があるので楽しみは楽しみ。魚屋の内野君も可愛かったし、磐音に助けられた女の子が「恩を受けてそのままにはできない」と魚屋の主人に談判するのもかっこ良かった。こういうエピって好きv。
あとドラマ自体にどうこうというより琴平の塩屋君が良かったな。冒頭のいかにもちゃらんぽらんで軽薄そうなキャラだけど、妹を殺されて逆上し、慎之輔をたぶらかした彼の叔父や相手の男を斬り殺してしまうほど情に篤い(脆いとも言えるのかも知れないけど)人間なのはすごく納得できたし、舞の潔白を伝えにきた磐音に感謝しつつ、自分が許されない罪を犯したからこそ最後に磐音と勝負して自分の誇りを試したいと思う気持ちがちゃんと伝わって泣けた。
追っ手を何人も斬り殺して返り血を浴びた姿での立ち回りも美しかったし素直に見蕩れました。悲劇の元凶は美しくないといかんよな。GJ!