刑事の現場/第3回「運び屋を追え」

うーん地味である。それがつまんないとか散漫だというはなしではなく、とにかく印象として地味である。
登場人物のそれぞれに事情があり、それを見つめる刑事の事情があって、そこにある心の動きは充分納得できるし共感も感情移入もあるんだけど、いかんせん描かれる人物が多くてその比重が同じくらいだから、カタルシスとかそういうものがだねえ……。
脚本家って「電脳コイル」(未見)の人なのか。後は「世にも奇妙な物語」とか「特命係長只野仁」とか。いくらNHKつっても地味にやれって注文だとは思えないし、フリーハンドをもらって好きに書くとこれってことかな。加藤と伊勢崎の関係は死んだ父親を介して擬似親子関係の部分があるし、古川と加藤がそれぞれ関わる事件も落としどころを親子関係として見せているからまあそういうことだろう。
犯行時間にいなかったはずの子供の部屋に明かりがついていたことに気付いた古川が、真犯人が子供なんじゃという事実を明らかにすることが犯人として名乗り出た父親や子供にとって良いことなのかと煩悶するシーンが萌えv。<“萌え”かよっっっw。
このドラマって司法とか警察の役割を、犯人に償いの機会をあげる役目でそれを蔑ろにすることは許されない、ってトーンで描いてるとこが好き。
実際のはなし、これから中学高校と進まなきゃいけない子供を持ったおかあさんに「自分の人生でなにもやりとげられなかった」とか言われたら困っちゃうんだけどさ。「おとうさんと別れるから、あんたが私を幸せにして」って言うおかあさんよか良いかも知んないけど。
そう考えたらこの二組の家族って対比ポジションなわけか。旦那さんは親から引き継いだ仕事して経済的には恵まれてて、でも自分は学生時代の夢を捨てて価値のない人間になってしまったと思っている奥さんと、会社からリストラされて自分に価値を見いだせず、自分が息子にしてやれることはせめて息子の未来を守ってやることだと思い込んじゃったおとうさんと。
地味だけど浮ついたとこがないから視聴ストレスなくって良いな(笑。ちょっとこのドラマはもうけもんだv。