ROOKIESのあつさ

実は昨日からリアルタイム含めてもう4回見てます。今も視聴中。
基本的に私世の中まっすぐに見てるデリカシーのない人(それってイコールなのかw)嫌いなんで川藤みたいな人も好きじゃないんですけど、どうもハマったな、と思う理由を自分なりに考えてみたですよ。
川藤のキャラ自体は、昔ならスタンダードな青春ドラマの熱血教師として成立したと思うんですね。そういう川藤のキャラが今はずっと幼い生徒たちですら鼻白むようなあり得ないもので、周囲から否定され続ける野球部員が素直に受け止められるものじゃない、というのは、今時の子供たちの描写として自然なもんだと思います。
で、このドラマを暑苦しいものにしないために、このドラマ川藤以外の長台詞ってほとんどないんですね。今週若菜が野球部に戻ることを報告するシーンも、「あいつなら俺がアメリカの大統領になりたいって言っても笑わないで聞いてくれる」というほとんど無関係な台詞で展開していて、その後の岡田たちが入部を決めるシーンなんか、脚本上は「楽しくやってるのに部活なんかやってる暇はない」という会話が進行して、それが彼等の本音でないことは彼等の表情でうかがわせるだけで、彼等が復帰を決心するシーンなんか、ひとりひとりがお互いの表情をうかがう視線をアップでとらえただけで、しめに3人の笑い声をロングショットで同じ画面で聞かせるだけで見せている。湯舟がこのシーンで煙草を捨てているのも見せ方として利いてて、なんの説明もなくても彼等が同じ気持ちでいることが分かるんですね。
そういう風に、川藤の主張に感動することが恥ずかしいことだ、という気持ちを登場人物が代弁すると同時に、それじゃ川藤を否定してしまったら彼等はどうなるのかということを、すごく抑えた見せ方をしているのが作りとしてはうまいなあ、と。
あと前回今回と、真弓先生と張本の長台詞で川藤の人間性を語らせてるのも、序盤の見せ方として良いですよね。
こういう作りって、視聴者がテレビに集中してくれることを前提にしないと成立しないと思うんですが、時代錯誤のヤンキーが画面の大半を占めるこのドラマにどこまで視聴者が熱くなってくれるかが評価の別れ目かなあ。個人的には、ドラマとしてすごく真っ当に考えるべきところを考え、見る方の理解力に期待してくれるようなこのドラマの作りはほんと好みです。張本を笑ったことを安仁屋に詫びろと詰め寄るシーンを、張本の笑顔で切り替えるなんて普通やんないよなあ。
現実なら、義務教育でもない高校で逸脱したオイタをやらかす彼等を認めろという川藤の主張だって迷惑なはなしだとは思うんですが、彼等の今後を楽しみにしたいと思います。川藤は嫌いだけど。死んでも好きだなんて言いたくないけど(笑。