ホカベン/#10(最終回)

今週のはなしの流れ自体は、灯が珍しくずっと杉崎に言われたとおりにしていただけだから特に言うこともなくw。判決は描かれなかったし、こういう裁判で灯が勝てるかといったら勝てないんじゃないかって気もするけど、民事裁判というのは結局金銭は名目で相手に謝らせることが目的なんだから、原告のおばさんにしたら杉崎の態度で充分なんじゃないのって気はするな。そういう意味じゃ鈴木さんが杉崎をどう思ったかを見せるようなシーンは欲しかったかなあ。
この番組ももっと早くこういうふうに流れを変えれば良かったんじゃないかと思うけど、原作は途中までしか読んでないからこの杉崎さんの裁判がどういう流れなのかは分からないけど、今週の灯は杉崎を訴えた側に立つためにエムザをやめて誰の庇護も受けず自分一人で戦うわけで(杉崎の助けはあったけど、あれは杉崎のせいで危ない目に遭っていることをフォローするほど頼りになる助けじゃないと思うなあ)、そこまで覚悟決めたら独善にだって発言権は生まれるよなっていうか、灯みたいに独善を通したかったら、そんくらいの覚悟は決めるのが当然だろ?ってはなしだよね。
そもそも独善が悪いわけじゃないんだ。独善に一点の正しさもないなんてことめったにないし。でも誰かの主張が一方的に正しいことなんかまずないから、そこで相手の言うことを聞かずに葛藤もなく被害者面する人をドラマで描かれて共感できるかってはなしなんだけど、これも初期のエピでは灯の葛藤をちゃんと書いていたのに、なんでこんなことになったかと思うんだよね。
上戸彩って滑舌悪いし長い台詞を同じトーンでしゃべるから演技の評価低いけど、この変な頑固さとか視野の狭さと同時に成立する正義感なんかを役として成立させられるのってこの子くらいだと思うんだ。だからその柄のままに初期エピソードや今回のはなしのような、無力だけど真摯な灯を追いつめるようなはなしにすれば視聴者の庇護欲をそそったんじゃねーの?って思うのに、なんで増長させて叩きたくなるようなキャラにしたんだろう。つくづく脚本に恵まれない子だと気の毒になる。
正直つまらないはなしの方が多かったけど、途中のはなしも最初と同じトーンでやって欲しかったと残念に思う程度には良いドラマだったと思うよ。