キャットストリート/最終回「涙の卒業式」

いやちょっと待て。現状の奈子と恵都なら、十分奈子のやってることは「高いとこから良い気になってる」ことだと思うよ。
つーかいくら引きこもりでも撮影すっぽかしたら関係者くらいには「すみません」必須だろー。あんな態度でちょっとくらい良い演技したってかえって反感買うよ。
気持ちの描写の浅いところは少女漫画だったはなしだから、子供向けの枠だから、と気にしないできたけどこのドラマは自分の中でNGだー。子供に不必要な悪意を見せないためのご都合展開じゃなくて、適当にごまかしても子供には分かんないだろ、ってご都合展開なんだもの。浩一のバーチャルデートとか原作のエピなのかも知れないけど、今時そんなのやってる高校生男子とかドン引きだよー。出会い系サイトの方がまだマシだよー。
序盤の暗さはやがてくるみんなの再生のため。夜明け前が一番暗いんだ、と気にしなかったけど結局最後まで誰も明るくならなかった、自分の中になにかを灯すことをしなかったはなしのような気がする。だって主要メンバー4人が2人2人でくっついて、それってほんとに自分の力かな? 恵都も紅葉もなんかふられたらまた引きこもりそうだよ。
私はさ。「脚本は悪いけど良いドラマだった」って理屈はなんか認められないんだ。どんなに役者や監督が頑張っても、ガイドラインになる脚本が悪かったら良いドラマにはなるわけないじゃんって思っちゃうから。だからドラマは好きだけど脚本はひどかったっていう人を見ると「いやそれは、ドラマが好きなんじゃなくって違うなにかが好きなんだと思うよ」と言いたい気持ちがちょっとしちゃうし、脚本がひどくってもそんな脚本に文句言わなかったPさんとか色々他の人にも責任あるよね、と思っちゃうから、この脚本家さんはこういうとこの扱いが嫌いだから嫌いだなー、とかは思っても、全部脚本家が悪いとかは思わないのね。
でも今回は、そう思う自分も嫌なんだけど「浅野妙子の脚本でさえなければ」と思っちゃう気持ちを抑えられません。この人に頼むPも悪いけど、子供向けのドラマをこんな人に頼まないでよ。日本の未来は大事にしようよ。
なんか恵都の靭(つよ)さ、紅葉の明るさ、豪太の友達への気持ち、浩一の不器用さなんかをキーワードに涙ぐましいほど頑張ってこのおざなりなはなしに感情移入させたキャストの健闘には心から拍手します。だから「もっとやり方あったんじゃ」と思っちゃうのが嫌なんだ。キャストがよりどころにしてるところくらいちゃんと書こうよ。絵に描いた餅をよりどころに役づくりさせるようなことしないでさー。
ストーリーのアウトラインはあっただけにそれなりの体裁は整ってましたが、ある意味「太陽と海の教室」よりひどい気がするドラマでした。でもキャラがしっかりしてただけ、役者さんの仕事は良かったと思う。おつかれさまでした。