フレフレ少女

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えー。なんかだまされてるような気はするけど私は面白かった。
だまされてる気がするっていうのはストーリーらしいストーリーはないし、最終的なキャラクターたちの変化がなにによるものかって部分が説明されてたかっていったらされてない気もすんのね。以下一応隠します。




主人公の桃子はおはなし読んでるだけで世界が完結しちゃうタイプの高校2年生。それが野球部の1年生にボールをぶつけられたことから恋に落ち、成り行きから応援団の団長になっちゃうわけですが、まあ序盤野球部の練習試合での応援シーンが酷いんですよ。そりゃこれじゃ野球部も応援して欲しくないだろうし、相手の応援団もエール交換したくないわ、っていう。
たった一人の応援部員だった龍太郎以外、誰からも相手にされない自分でもなんかやらせてもらえそう、という軽い気持ちで入っただけの、応援への意欲も作法へのリスペクトもない応援団。そんな彼等がOBに半ばだまされて無理矢理運動部並の練習を強制されたって、理非もない精神論なんか納得できるわけないよな。それでも「私たちはまだ誰のことも応援してない」という桃子の言葉がみんなの心に届いてやる気になるのって、まさに彼等自身は自分ではなにもできないからなんじゃないかと思ったんだ。
柔道部でも野球部でも、応援される彼等は自分自身の可能性を持ってるわけじゃん。対して応援団の1年生3人は旗手の子以外は文化部にいたんだけど、そこでも「コイツダメ」の烙印を押されちゃってるわけで、それは現実を無視してジュニア向け恋愛小説にのめり込み、烙印すら押されない場所にいる桃子も同じだと思うんだよね。なにもできないってことはつらいこともしなくて良いわけで、でもなにもさせてもらえない限り自分でなにかをやる手応えなんか永遠に手に入らないわけじゃん? 「自分達はなにも手にしていない」という実感は、やはり自分の可能性を信じたい年頃の青少年にはきついんじゃないかと思うわけですよ。
普通の感覚だと応援って、他人に「頑張れ」って言うだけじゃん。それを無責任だという感覚は普通にまかり通ってるんだけど(ちなみに私はそういうこと言う人キライです。人から「頑張れ」って言われたら、期待の気持ちだけ受け取りゃ良ーじゃん)目の前でなにかをする他人の力を信じたい、成し遂げて欲しい、と思う気持ちが人より強い人っていうのも、やっぱいるって思うんですよ。
展開はすごい淡々としていて、龍太郎の桃子への気持ちとかは序盤からそうかな、って感じはあってもはっきり描写はされないし、すべての発端である桃子の恋も早々に決着ついちゃうし、団長会議で桃子をかばってくれた他校の団長とかなにかあるのかと思ったらないし(w)、まあその淡々具合は、ラスト近くまで応援団を許さない野球部のしつこさとの対比だと思えば良いのかな(笑。実際野球部が整列して応援団にお礼を言うシーンは良かったよv。
ガッキーのへにょへにょした声質は応援団長って役には確かに不似合いなんだけど女の子が応援団っていう一発ネタ的にはその不似合いさもネタのうちだろうし、足を開いた立ち姿なんかの型がどんどん決まって行くんで見てて楽しかった。クライマックスの野球部決勝戦は淡々と試合と応援を見せるだけなんだけど、まあ一年生たちの言上(?)とかのプチ見せ場はあっても特に仕掛けのないこのシーンがすごく良いと思えるのって、彼等の応援がすごく良いと感じるからなんだよね。
ガッキーはともかく可愛かった。ガッキーの可愛さだけでかなり点は甘くなる感じに(笑。元々の応援部員龍太郎の永山君って瑛太の弟なのね。ドラマ版の恋空でヒロのせいで学校やめるミカを好きな男の子をやった子。
展西、というか今ならロメラ恭介の染谷君の明は相変わらず重いんだけどかなり良かった。出るって知ったの最近なんだけどね。むしろなんでこの映画見ようと思ったのかいくら考えても思い出せないんだけど。なんていうか染谷君は、こういうこれといったドラマのない子をやるとやたら良いよ。難儀な柄だw。
鼓手の柄本時生君は奈緒子にも出てた柄本明の息子。こういうなにをするわけでもないのに匂い立つDQN臭というのがめっちゃハマル、というか普通の役できるんだろうか(笑。全体にキャストは年齢的な若さを差し引いても演技的には心許なかったけど、淡々とした見せ方で気持ちを切り取る演出で気にはならなかった。でも伊原さん←間違えた。内藤さん、とかの大人を上手く使ったらもうちょい演技が良いように見えたんじゃないかと思うんで、ちょっとメリハリのない見せ方でキャストが損してる気はするな。
後、早々に転校しちゃう桃子の恋の相手の彼女で秋山奈々@あきらが出てました。最近こういう性格悪いカワイコちゃんが続いてるけど(キャットストリートとかw)すごい可愛いんで許せてしまう(笑。
ガッキー以外はやりのイケメンが出ているわけでもないし、ちょっと退屈な気もするから誰が見ても楽しいかといえば微妙な気はするけど、私は面白かったです。ケータイ小説の高校生なんかとは程遠い感じが安心して見れたv。