K-20/怪人二十面相・伝

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面白かったー!
土休どころか23日すら休みじゃない中、健オススメのわた貝も見てないのに見にいって良かったよ。すげー私好みの映画だった。
以下ネタバレにつき隠します。
レッドクリフリピート中、予告で見ていた映画だったし江戸川乱歩明智小五郎も大好きなんでなんの予備知識も入れずに見にいきましたがちょっとくらい情報入れとくべきだと思ったよ。冒頭第二次世界大戦のなかったifの世界のはなしと知ってポカーン。1949年だから現実なら戦後しばらくくらいかな。子供の頃読んだだけだけど少年探偵団で浮浪児とか出てた記憶がある気がするんで年代的にはかぶってんのかも。
ただパラレル設定自体は無理にやる必要もなかったと思うけどなあ。戦争がなかったことで明治大正の華族制度が瓦解することなく続いて格差社会が出来上がってるってことで、風俗的絵面的には明治の鹿鳴館時代くらいの感じなんだけどだったらその時代で良かったっていう気も。マシンガンとか出せないけどw。
とにかく金城武の平吉がすげー可愛い。劇中でも年齢設定出てないんだけど「このイタイケなおにいさんいくつ?」っていうw。レッドクリフまで顔は知っててもそんな意識しないでいた人なんだけど柄が可愛いんだよね。めっちゃ庇護欲そそるというか、序盤警察に拷問受けてるシーンで笑いが止まんなかったわw。<「おまえの庇護欲はどこを向いているんだ」という突っ込みはなしでw。
パラレル設定いらなかったって言ったけどそういう世界が出来上がっている、っていうのは絵でもはなしでも演出でもきっちり見せてくれててすごい面白かった。冒頭サーカス小屋の楽屋で話す平吉とシンスケが1個のミカンを分け合って食べてるとかさ。そこでサーカス団の小日向さんが病気で医者に見せるお金がないってところで、平吉が写真撮影を引き受ける流れも説得力あったし。
平吉が白鳩大好きなんていうのはレッドクリフの後だけにちょっと笑っちゃったんだけど(w)、貧しい中でも悪いことだけはしないっていう平吉の人柄とか、助けてくれた泥棒長屋の人たちを泥棒だからって責めておきながらシンスケたちのために泥棒になりたいって願い出る流れとかすごい気持ち分かるんだよね。そこは苦労知らずの財閥のご令嬢なのに、浮浪児たちを見てすべきことに目覚める葉子もさ。
明智小五郎の方は立ち位置もあって最初からいかにも胡散臭くていけ好かないんだけど、中村トオルはバチスタの白鳥さんを見ている時期だけにちょいと笑っちゃったよ(^_^;。
つーか明智サイドは小林君の本郷奏多君が良い。いかにも古めかしい容姿もだけど(それをいったら普段とまったく変わらないかっこでこの世界観になじむ要潤も笑うがw)明智小五郎とのちょっと酸化臭漂う感じとか、明智の婚約者であるところの葉子に対する敵意とか明智への不満とかさ。本郷君はこういう役ははまるなーw。
全体に登場人物の人柄と彼等が善しとする世界はどんな世界か、っていうのがきっちり描かれていてその人柄が正しいと思えるから展開の節目節目でカタルシスがちゃんとあるのが良いです。笑えるシーンも多いし。クライマックスで「これがあればシンスケたちが寒い思いをすることもなくなる」って言う源じいの言葉に平吉の出す結論の根拠が「葉子がそれを望んでいるから」で、ラストシーンで葉子がなにをやっているか、っていうのも説得力あったよ。
アクションは全体にワイヤーアクション系なんだろうけどとにかくかっこ良かったです。跳躍系のアクションってかっこいいよね。あとエンドロール見てたらクレジットに伊藤慎さんの名前あったよ。なんだったか分かんなかったけど。バイクスタントかなー?
葉子の「良家の子女の嗜み」が象徴的なんだけど、どのキャラもその人柄がオチでありカタルシスであるところがすげー良い映画だと思った。面白かったです。また見にいくよ。