オグリンたちの「ボクらの時代」とちょっと思ったこと。

先週も感想書いたんだけどid:korohitiさんが今週分に関して書いてるのにコメントしようと思ったら長くなったんで。
この番組の中でオグリンが行く行くは役者をやって行く人の学校と同時にエキストラ会社を作りたいって言ってて、現状のネットでエキストラを募集して素人が指示どおりに動くだけのやり方を嘆いてるんだけど、私これ聞いた時に思い出したのがさら電のクライマックスでタロズと戦う死者軍団でさ。あれってJAEの人たちだよね?
あれって人数としては大したことないんだけど全員がちゃんとアクションの現場にいるプロだから、“人間じゃない”っていう説得力がすごいんだよね。映画でもドラマでもある程度以上の人数が必要なシーンってネットとかで募った頭数揃えて素人に絵だけ作らせるのが普通だし、こっちもその辺のことは分かった上で“芝居”じゃなく“絵”として見るんだけど、いざ全員が“芝居”をしているところを見たらやっぱり全然違うんだよ。
korohitiさんが書いているように日本にも演劇関係の専門学校なり演劇科の大学なりはあるんだけど実際ドラマで主役張ってるような人たちの経歴にそういうのがあんまりないのは、日本の場合ドラマっていうのは芸能界の人が出るもんだから人気先行で、力をつけるまで待ってないんだよね。そういう大学を選ぶ動機として高校の演劇部とかで芝居してて、って人は当然いるけど多くの場合そういう人ってそこに行けば役者になれると思って行くわけじゃなく、普通の大学行くとか普通の会社入るとかしちゃったらもうお芝居なんかできないからお芝居続ける言い訳として行くだけで、で、そういうお芝居のしたい欲求の強い人は逆に授業だけじゃ満足できないから自分で劇団立ち上げたりそういう劇団に入るなりしちゃうから途中でやめちゃう人の方が多いし。篠井英介さんとかは日大の芸術学部だったなと思って見てみたけど、大学時代の人脈から花組芝居に行ったはずなのにちゃんと卒業してたから逆にびっくりした(笑。まあ演劇コースはともかく照明とか音響とかの専門学校とかは、教える方も仕事にしたかったら学校は人脈(生徒同士じゃなく教えにくる人関連で)作る場所だと思えって言うらしいから。
そもそもお芝居っていくら教えてもらっても才能なかったらはなしにならないし、とりあえず華のある若い子に場数を踏ませて、その中から本人にやる気と才能のある子が上に行く、という日本の状態はある意味理にかなってると私は思うんだ。ただ前編で彼等が言ってたように外国だと力がなければ役がつかないのに、日本だと人気先行で役がつく、むしろ事務所の力とかで役を付けることで人気を作るってやり方だから、外国だとできる前提で作るものを日本ではできない前提で作るから最初の設定値が絶対的に安い。若い子向けのドラマに出てくる役者なんか芝居できないのが当たり前、むしろできない子を演出とか脚本とかでできてるように見せるってやり方だから。
日本でドラマを作ってるのは芸能人だけど芸能人のすべてがお芝居したいわけじゃないからね。芸能人になりたい子が芸能界に入ってお芝居に目覚め“役者”になっても、ドラマの仕事を続けたかったら“芸能人”でいないといけない。彼等が言ってたのってそういうはなしな気がする。
ドラマの現場に入るのが“役者”ばかりならできるもののレベルが上がるのは当然なんだけどさ。でもオグリンの思うほどうまくいくかなあ、と思うのって、技術や百歩譲って心構えは教えられても、やる気の出し方なんて誰にも教えられないからなー。まあオグリンみたいな役者がいることで芸能界を目指す若い子が、やる気はあって当然なんだと思ってくれるだけでも相当クオリティ違うと思うんで、彼がいるだけでありがたいと私とかは思ってるけどねw。