ぼくの妹/#10

うん。良いはなしじゃん。
盟が九鬼を助けたいと思うのは、いきさつとかそういうものと関係なく助けられる人間として当然だし、つか性善説のつもりはないけど、目の前の人の命に対して助ける力があれば、助けたいと思うのは当たり前だよな。だって妹との結婚に反対だからって、相手の男に死んで欲しいと思う人間なんていないでしょ? 反対だから九鬼が死ぬのは良いだろうと思う人って、人として感覚が変だと思う。関わりたくないと思うことと、死んでも良いと思うことは同レベルで話すようなことじゃないもん。
もちろん世の中に医者は盟だけじゃないし、盟が担当しなくても九鬼は違う病院で手術して助かるかも知れないけど、現に盟が医者であり、九鬼と関わりがあり、颯が九鬼を好きだと思っている以上、九鬼の命になにもせずに九鬼を死なせることを、盟が平気でできるはずないもん。その上で、九鬼の命が助かったら颯と生きることを認めようと思うのも、盟からしたら当然の気持ちだと思う。
んでやっぱ九鬼の気持ちも分かるなと思うのって、九鬼は颯と生きてく自信がないんだよね。あまりにも不幸続きの人生だったから、一緒になれば颯も自分の不幸に巻き込んでしまう、一緒に幸せになれるなんてそんなはずはない、と思っちゃう気持ちは分かる。
颯にしたら自分の人生だって別に良いことなんかなかった、九鬼に足を引っ張られて幸せになれる人生を棒に振るはずはない、と思ってるんだし、なによりも九鬼が好きだから一緒にいたいと思ってるんだけど、その気持ちを九鬼が分かるためにはどうしたら良いのかなあ。
理事長のお嬢さんにしたって、わがままお嬢さんだから盟を好きな気持ちも本気じゃない、なんてことはないわけで、でも自分の夢を理解する気のない人と、結婚なんかできないよねーそりゃ。
まあ颯にしたって、本気で好きなんだから気持ちを押し付けて良いってことないんだけどさ。来週で終わりだけどどうなるのかなー。