任侠ヘルパー/#11(最終話)

うう、面白かった。非の打ちどころのない面白さだった。
六車がああいう風に来たから良いようなものの、あんなことしてなんになったんだとか言ったってしょうがないだろ。こいつらヤクザだぞ。なに期待してんの。
どうするのが良いとかどんな解決策があるとかそういうの関係ない。もうどうしようもない、こいつらにしてやれることなんかない、という状況で、それでもこいつらがここにいたいなら自分は最後まで面倒を見るんだ、って筋通ってるじゃん任侠じゃん。
正直最初に設定を聞いた時にはなにをやるつもりだと思ったけど、すごいこのネタだからこそできたはなしだったよ。だって老人介護なんてどうやったって「そしてみんなしあわせにくらしました」にはなりようのないネタなんだもん。そのあらかじめ抱えている不幸の分量に、彼等がヤクザだという設定はうまく効いてたと思う。
てかなんだかんだいってみんな足洗っちゃってんだけどね。それで良かったんだ親分! うーんなんの意味があったのかなあ。結局残ったのはりこと三樹矢と二本橋? 零次は戻ってきたけど。番組の描写しないところでなんか旨味あるのかしら。対立組織のオレオレ詐欺を邪魔して資金源を断つとか。
まあ親分の思惑には突っ込み無用ってことで。先週までの展開でもうどうにもならないところまできた登場人物たちが、それでも誰のためになにをしたいのかということは、あんなところにいる年寄りまでカモろうとする電話にキレる彦一とか、帰ってきた年寄りのために食事を作ろうとする連中とかでうまく見せてたと思う。そして六車はとことんおいしいところを持っていくなあ!
家に要介護老人のいる身としては気が重くなることもままあったけど、このネタと設定の中でどんな見せ方ができるか、伝えられることはなにかと真面目に取り組んだ良い番組だったと思う。つかなんだ。「やらぬ善よりやる偽善」ってことで、建前だけのお役所より彦一たちの方がずっと、自分達に寄り添ってることを当のじいさんたちが分かってるもんな。
お飾り組長りこのジレンマの落としどころとして四方木組の殴り込みは壮快だったし、再会後のキスも可愛かった。晶に煙草を取り上げられた彦一のこみあげる笑顔で〆る演出も良かった。
またこのクオリティのドラマが見たいです。