宿命1969-2010/#6

脚本:坂上かつえ 演出:内方 輝
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えっとさー。今週ラストのあれ、ある意味聞いてたのが崇(北村一輝)だから良いようなものの、他の人だったらどうなるの? 担当医師にしたって、「本人同士は知らないことで親御さんが気をもんでる」って聞いて、患者が白井尚子(上原美佐)で見舞いにきたのが理事長の息子だったら誰のどういうはなしか分かるよね?
三奈(真野響子)が馬鹿なのは鉄板なんだが、今週の演出の人はわりときっちり表情を見せる人で、三奈・白井(奥田瑛二)・有川とーちゃん(田中健)の親世代の過去を踏まえた気持ちとか関係とか見えて良かった。脚本も三奈と白井のやりとりで三奈が大学時代にしていたことを窺わせて、その後の崇と白井のシーンに繋げれば有川とーちゃんの来歴は白井だったら見当つくもんな。しかしこの崇はちょっとおっとりさんというかうっかりさんというか、全共闘世代の医師が東大卒の肩書きを持って過疎地医療なんかしていたら、学生運動で経歴に傷があるからだってその世代の人なら気付く、って頭はないんだろうか。この期におよんで慰謝料を小切手で渡すことにしても、人に言えない現金授受はいつもにこにこ現金払いが鉄則だと思うんだけど。名前入りの小切手なんて、なんかあった時にお金渡してるんだからなにか後ろ暗いことがあるんだろうって言われた時にシラも切れないじゃん。白井さん秘書にするならきっちり仕込まんとダメだよ。
今週は崇のはなしを聞いて三奈が書く小切手の額面が以前より多い3000万だってことで自分が宣子の人生になにをしたかに謝意があるって見せたり、馬に乗りにいこうって誘うことで崇との親子関係を修復したいって思ってるのを見せてたんで、ラストの白井とのやりとりがちゃんと自分の過去によって崇と尚子に罪を犯させることへの怯えに見えたのが良かったな。それでもこっそり胎児の出生前検査で尚子に流産させて、「この結婚は呪われている」なんてどの口が言うかって思うけど、だいぶ三奈の見え方を修正する効果はあったなー。この演出の人上手いな。宣子のシーンにしても、ちゃんと愛していたからこそ許せなかった、ってはなしに見えるもんな。
それにしても崇! ああ可哀想!
尚子が妊娠して、これで三奈だって納得するだろう、ちゃんとみんなに祝福されて新しい家族と幸せになるんだ、という気持ちの見える崇の喜びっぷりを経て、尚子の検査中の不安な感じとか流産の際の苦痛の表情とかもなにげに上原美佐GJなんだけど。ほんとこのドラマはイロモノ過ぎてスタンダードなドラマの主役はきつくないかと見えた北村一輝はじめ、特に知名度はなくても上手い人がきっちり良い仕事をしていて、演出もちゃんと状況を伝える良い仕事だよなー。こういうの見せてもらうと仕事の疲れも飛ぶよ。(なのに翌日疲労感倍増のブラッディ・マンデイ(θ_θ;