龍馬伝/第11話「土佐沸騰」

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演出:渡辺一貴
1860年。龍馬25才、以蔵22才、武市29才、弥太郎26才(生年より単純計算)
演出は弥太郎番渡辺一貴。公金横領で懲戒免職は知ってたんでどうする気だろうと思ってたらこう来たか。でも吉田様(田中泯)に言ったアレって完璧に言い訳だよねえ。芸者に舞い上がって公金横領ってバカジャネーノ?
んで弥太郎(香川照之)の報告が微妙に事実より大袈裟だったのは、事実を歪曲して伝えることで武市道場のみんなの直接対決を避けられないかと思ったと判断して良いのかな?
しかし桜田門外の変のような事件に彼等のような身分の低い志士が色めきたっちゃうのはそら当然で、そこでこういう事件が起きちゃうのって、「武市さんはいつも間が悪いなあ」ってはなしなだけの気がするけどなー。これ武市さん(大森南朋)のせいなの? むしろそんなこと言う龍馬(福山雅治)が悪魔だって気がするのは私の気のせい?
武市さんって、良くも悪くも土佐を勝手に背負ってるんだよね。弥太郎や龍馬の発想が自由なのは彼等がある種自分を天才だと思ってるからで、でも武市さんはなまじ自分はそこまでの人間じゃないと思ってるからこそ、自分を祭り上げる武市道場のみんなとかを切り捨てることができないんだと思うんだ。土佐とか異国とか言っていないで、世の中自体が変われば身分制度も変わる。それにどれだけの時間がかかるかはそれこそ天の意志だ、くらいに思っているのが龍馬や弥太郎なんだろうけど、武市さんは自分たちにそこまでの改革ができると思っていないからこそ、とりあえず自分が力を持つことで、彼等の立場を良くすることに必死で、じゃあどうすれば良いんだろうと空回った挙げ句、手に余る事態を収められずにドツボにはまっているんだと。
だってさー。上士とか下士とかなくても、弟を斬られたからって殺して良いとかないと思うし、本人だって無罪放免で済むと思ってやったわけでもないと思うんだよね。土佐の身分制度を考えたら罪人として刑死でも不思議ないでしょ? それを「責任を取る」という形で切腹なら、武市さんの言うように「武士の本懐を遂げたんだから喜んでやれ」ってはなしだと思うんだけど。そこで「俺は切腹なんかしたくない」って言うのはそりゃそうだけど、それは世の中がどうこうってはなしじゃないと思うの。誰も他人の罪を背負うことはできんもん。
まあ以蔵君(佐藤健)は「そろそろオチツケ」って感じにはなってきたけど今週も可愛かったです。しかしほんと武市さんが危うくて危うくてどうしてくれよう。龍馬を訪ねてきたところのたまらなく腰のものが重そうな佇まいとかヤバそう過ぎる。
まあ武市さんに関しては、まるで初恋の相手に振られて自分を認めさせる以外の自己解決法を見出せない岩瀬さん*1のようだなあ、とか言っちゃダメ?