タンブリング/#5

http://www.tbs.co.jp/tumbling
脚本:渡辺 啓 演出:伊藤礼
すっかり安定して面白いなあ。亮介(三浦翔平)と日暮里(賀来賢人)の入部でタワケ発言枠はそっちに移ってるし、亮介は常識人だから航(山本裕典)みたいな無理無体は言わないし、航はすっかり一本気な気のいいにーちゃんだしさ。惜しむらくは今週かつてないほど木山(大東俊介)の影が薄かったけど、この状況で彼にできることはそらなにもないよな。ははは。若い子は大変ねw。←オバハンw。
いやー先週ラストで水沢(柳下大)が木山の写真を持っているのを見た時は、てっきり口に出せないほどの遺恨があるので、その気持ちと部員として受け入れないと、という気持ちで揺らぐのだろうと素直に思った私の常識は、2000年で止まっているんだと痛感しました。もっと古い? うっそん。
だって当節おねえちゃん向けドラマのBL要素なんか珍しくもないけど、やっぱそこは古い付き合いだとか、一緒になにかを目指してるとかの友情だと言い張れるレベル設定って必須だったと思うもん。しかもこのドラマにおける水沢って、新体操への気持ちが強いゆえに、時として偏狭で間口の狭い悠太(瀬戸康史)よりよっぽど、ヤンキーの航にも偏見のない、ものの見方が公平で気配りができて、その上でみんなで団体に出るのが夢、という辺りが安定してる理想的な善い子だと思うのよ。それがなにか接点があったとも思えない、中坊時代の事件を引きずりつつそれは公にはなってない、単なる友達作らない不良の木山を3年までずっと好きだったって、それほんとになんの言い訳もフォローもできないじゃん……f(^_^;。
なんの接点もなければなんの問題もなかったはずのその気持ちが、木山が入部したことでそうもいかなくなったのは降って湧いた災難なわけだけど、そりゃあ男子ばっかの部員の中にそういうのがいるとなったら部員としちゃ微妙なのは当然だよ。高校生なんて一番残酷な年頃だし、他人への見栄だって働くしね。そこで水沢の気持ちが部員より先に他校生に知られたことで一緒に変な目で見られたカラ高メンバーが、一度は水沢に向けた苛立ちを、水沢がいろんなものをあきらめて去ろうとする時に残していく言葉−−水沢があきらめきれずに託そうとしたもの−−を聞くことで、水沢の気持ちの深さを知り、仲間として受け入れる流れは熱かったです。ここでさー。水沢が“善いやつ”だってことを番組がずっと描写してたことがすごい勝因だよねっ。だって水沢が部員みんなを見て、その立ち位置をちゃんと把握していて、どうするのが相手にとっても自分にとっても幸せな選択肢なのかを判断できる子だってことにすごい説得力があるもん。だからこそ、相手にも自分にも周りにも良いことはなにもないこの恋を、水沢にはどうにもできないってことが切ないんだからさ。そういうことを、あのおばかちゃんたちが熱さでもって理解するっていうのがなんつーかカワイイなあ、って思う。
オルタナティブ・ゼロ……もとい高杉コーチの神保悟志はめずらしく素直に良い役でしたね。そろそろ火野(西島隆弘)のはなしがきそうだし、柏木(AKIRA)は相変わらず良いやつだし来週も楽しみv。