GOLD/#11(最終話)

http://www.fujitv.co.jp/GOLD/index.html
脚本:野島伸司 演出:河毛俊作
まあ面白かったよ。面白かったけどさ。誰を踏みにじろうと、誰を傷つけようと、気にせず自分の幸福を目指す人間が最も幸福になるんだというのはある意味真理だと思うし。でもこのおはなしの場合、悠里(天海祐希)の幸せのために身を退いたのが視聴目的の宇津木君(綾野剛)なので、「宇津木君可哀想"(ノ_・、)"」とは思わないまでも、「悠里って都合良い(^_^;」と思う気持ちは否めないです。うん可哀想とは思わん。こんな変な人たちには近付かないのが吉w。
現状ドラマ中の人物の抱える問題点が、主人公の気持ちに寄り添うことで解決する図式は最終回の王道のはずなんだが、なぜ許せてしまうのかがどうもよく分からんので、なんだかすごく、問題解決への道筋を新キャラクター投入でつける某脚本家と似たような印象を持ってしまった。やり方としては真逆のはずなのにねえ。いや誰とは言わんが。
リカ(長澤まさみ)が悠里のところに帰るのは想定内だから良いんだけど、元々この二人って家族的に相性が良かっただけで、積み重ねで信頼感が生まれたとかじゃないんだから過去シーンを挿入する見せ方は的外れで冗漫だと思った。だったら1シーン加えてみんな一緒の大団円とかの方がいっそ嘘くさくて清々しいと思うけどなあ。あざとい人物像にそれなり説得力を持たせて、めでたく着地させる手腕は紛れもなくプロの技だと思うが、野島先生自身はどんな物語が語りたかったのだろう。作っている方に語りたいことが明確にある、と感じられないはなしに入れ込んだ時って、すごい損した気分になる、というのは単なる八つ当たりですね。まあ宇津木君の物語自体は私には十分共感可能のものだったんで「見て損した」とは思わないけど、「この役をやることでどんな得が(^_^;」と思う人はいっぱいいた気がするなあ。