セカンドバージン/第6回〜8回

第6回「うずく背中」

第7回「のぞかれた夜」

第8回「愛しているのは私」

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/
脚本:大石 静 演出:柳川 強
たまたまだけど、前に感想書いた5話までが黒崎博さんの演出で、今回の6〜8話が柳川強さんの演出。こういうの見るとNHKはやっぱ基礎体力あると思うというか、本気のNHKは強いよなあ。こんなはなし、主婦相手に軽四や家電のCM流してる枠でできないもんなあ。今週愛子(YOU)が万理江(深田恭子)に「そんな可愛い顔してピチピチのお肌してても、旦那一人つなぎ止められないのがあんたの罪」って言った時しみじみ思ったよ。
この枠のドラマにしたら視聴率は破格だし(いや民放のドラマなら短縮もんだろうけどw)、スタッフブログで言っているように話題にもなっているようで手応えあうんだろうなあ。その中でビジュボの日記で言ってたようにしっかり爪痕残してる綾野君の存在がファン的にうれしーです。ほんと良い仕事してるもん。
このドラマが面白いのはさあ。けして恋愛体質ではない、いろんなもののために恋くらいあきらめられるくらいに理性的な人間が、あえて愚かな恋を選ぶ、愚かさを選ぶ気持ちに共感できるところだよね。子供の全能感で旦那を破滅させる万理江が愚かな女なのは当然として、そんな馬鹿と張り合うるい(鈴木京香)だって十分馬鹿で、それは馬鹿の種類が違うってだけのことなんだけど、そうしたい気持ちは分かるもん。
そして仕事が恋を冒す行(長谷川博己)と恋が仕事を冒するいはしょせん男と女だなあってはなしでしかないんだけど、るいに愛されることがだんだん重くなっていく行を、なにも語らせないことで描くこれは演出家が偉いのか脚本家が偉いのかw。るいと万理江のシーンとか、女の気持ちは語らせ過ぎくらいに語らせてんのになあ。そして語れば語るほど、るいも愚かには見えるんだけどさ。いや行が馬鹿なのは良いんです。馬鹿でも良いと思えるのが好きってことですv。
だってさー。亮(綾野剛)が愛して欲しかったのはるいにだから、るいを奪われてしまったら自分まで憎くなるっていう愛子の認識とかすごい分かるもん。人間って、一番欲しいものを手に入れられない時は、求めてる気持ちに蓋ができるもんだしさ。
ビジュボの方でこのドラマの対談を綾野君と長谷川君がしてるけど、面白いからファンの人は見た方が良いです。オススメ。つっか今年の綾野君はほんと良い役に恵まれて着々と爪痕を残したなあ。その結果かなりろくでなし俳優の地位を確立したけどw。いや私綾野君のファンのくせに、彼が技術としての演技力を身に付けることはこの先もないだろうなどというとっても失礼な認識をしていたことを東のお空に懺悔します。「mother」以降の綾野君を見ていると、ほんと花が咲くのを見守るような気分になるw。