家政婦のミタ/#7

というわけで、#6を見てないせいで恵一(長谷川博己)の変化にやや唐突な感はあったけど、恵一という人間の落としどころとしてまあ満足なはなしであった。
まあ恵一ってさー。普通に見たら「こんなやついねー」とか、「大人の男としてあり得ない。人として却下」って人物なんだと思うけど、ああいうダメ男にそれなりのリアリティがある対人関係を持つ身として、あの恐ろしく身勝手な理屈だって本人は大真面目なんだろうなあ、と思えるだけに、なんか“ああいう人間なのが可哀想”、って感じだったから、それでも「自分は子供たちといたい」と思っていることに気付けたのは良かったなと思う。ああいう自分の感情に距離感のある人っているからね。きっと恵一は今も自分が何考えてるかよく分かってないと思うけど、それでもあの子供たちの存在が、以前よりずいぶんリアルなんだ思うよ。
別にさ。死んだ奥さんの愛情に気付いたからって、恵一が奥さんのことを大好きなわけでないのは変わらないと思うんだ。それは所詮「気持ちはうれしいよ」ってレベルのもんだと思う。子供たちの母親としての彼女の愛情を受け止めて、家族で幸せに暮らせたら良かったというのはもうそれは無理だって前提の仮定のはなしで、でももう彼女はいないという前提の中で、子供たちといたいっていうのは今の本心なんだろうしね。
結局この家の人たちは、自分で思ってるよりずっと家族のことが好きなんだよね。保育園の主役より家族で演じることの方が大事だと思える程度にさ。そもそもこの家の抱える問題点って恵一がダメ親なことでしかないんだから、家族の再生とかいう大げさなことじゃなく、それぞれの気付きの物語でしかない気がするけど。
むしろ再生というなら三田(松島菜々子)じゃないのかなー。だって「出過ぎたこと」をするのは自分自身の気持ちだろ?