るろうに剣心

見終わった後の感想としては、「面白かったー」というよりは「なんかすげー」で、でも健(だけじゃないけど)がそういうすげーもんを作ったことは素直にうれしかった。これって母心? でもそれが本音だからなー。
だって大友さんって人物の気持ちをきっちり見せる監督じゃないからさ。元々色々含みを持たせた見せ方をする人だけど、いやこのはなしで行間に含み持たせたらあふれますよ。行間がありすぎて今一どんなはなしか分かりません(笑。
でも不快感がないのは登場人物に特にヤなやつがいなくて、主人公剣心(佐藤健)の人物像に違和感がなかったからだろうな。私剣心ってまったく読んでないんだけど、序盤の戦いのシーンでリュータのダンスを思い出したこともあり、電王放送中にふと思った、戦いの後その記憶を共有する相手を失って、戦いの記憶に傷ついた良太郎がそこにいるような印象で見ちゃったんで、剣心の戦いの記憶を抱えてそれでも生きている苦しさとかそういうのがなんかすんなり腑に落ちたせいだと思う。難を言えば薫(武井咲)の腕がどの程度か描写を見てもよく分かんないんで、人物が今イチアホに見えちゃうんだけど、剣心のような人が薫のようなことを言う人を守りたくなる気持ちは分かるんでそれはそれかなと。
アクションシーンに関しては、健というまだ子供じみたひょろりとした役者の肉体で演じられた剣心という男の強さを、“速さ”と描くことで説得力持たせた大友さんGJ!って感じであった。見た目の綺麗さ優先の大友さんの絵作りって必ずしも好きじゃないんだけど、剣心の速さは見ていて美しくて、その美しさが強さであることが納得できるような絵だったんで、なんつーかアクションシーンは盛り上がりましたです。
そういえば敵方の下印*1で綾野君が出てたけど、綾野剛センサーが働いて「あれ?」と思うまで出るの忘れてました。忘れるなよ私w。
彼とか吉川晃司の演じたにせ抜刀斎とかの抱えるものが描写不足だったのはちょい不満だけど、バトルはかっこ良かったんでそれはそれで。
なんつーか、見終わって剣心の傷とか孤独が癒されるような生き方が許されたら良いなーと思えただけで、この映画は良いんじゃないかって気がする。できればまた見に行きたい程度には好きです(・∀・)。

*1:名前違ってました。