最高の離婚/第6話

脚本:坂元裕二 演出:加藤裕将
主役じゃないって悲しいなあ、とぼんやり思ってしまったり。
なんつーかさあ。光生(瑛太)より淳之介(窪田正孝)の方が確実に良い子だし、海野さん(芹那)の方が結夏(尾野真千子)より光生を好きだとは言わないにしても、光生の個性を理解尊重する気があるのは確かだと思うのに、光生にも結夏にも、淳之介や海野さんの気持ちって自分が結夏や光生を気にする気持ちほどには重要じゃないんだよね。
同じように、17才の諒(綾野剛)とかけおちした潮見さん(16才)の人生において、諒は脇役だったんだと思う。諒の気持ちがどれだけだったとしても、それは潮見さんには先生との恋を彩るエピソードに過ぎなかったんだよね。だって海野さんや淳之介に好かれてることはうれしいけど、その気持ちを受け止める気がないまま結夏や光生を気にかけてる点で、光生たちもやってることはおんなじじゃん。
というのは極論にしても、誰かのことを好きでいる時に他人のことなんかさほど気にしないのはみんなおんなじだと思う。そんなの他の人を好きになったら忘れる程度のささいなことで、いちいち気にするほどのことじゃないんだと思ってしまったから、諒はああだったんだと思うよ。他人が自分を好きでいる気持ちなんて、ちょっと腹を立てたら忘れちゃう程度のことだから気にすることもないって。潮見さんとのことが諒のトラウマだったとしたら、それは「自分はその程度にしか好かれない」という呪いだと思うよ。
そういう呪いのかかった人が、ああいう風に誰にでも優しくて、ちょっと気のある感じの相手に下半身込みでだらしない人になるのはすごく分かる。だってそれって少なくとも、「その程度には好かれている」という手応え(?)にはなると思うし。
別にさー。諒って他の子より灯里(真木よう子)が好きだったから結婚しようと思ったわけじゃないと思うんだよね。そこは「私のお願いを嫌だって言ったことがない」一環で、単に先着一名様の枠に灯里が入っただけだと思う。だって普通はああいう人とは一生はやっていけないって分かるじゃんw。
先週諒が指輪を投げ捨てたことを怒りだって言ったけど、それって灯里に対する怒りじゃなくて、本気で自分のこと好きだって言ってくれた人の気持ち甘く見て変わらない生活続けてて、いざ変わろうと思った途端にその生活が原因で台無しになる、結局自分はそういう風にしか生きられないんだ、みたいな怒りだと思ったの。だから今週明希(遊井亮子)となにもしてなかったことに「へー」とか思ったんだけど、まあなんつーかもう色々しょうがないよなあ。だって灯里がずっとほんとの気持ちを見せないまま諒と暮らしてきた以上、そもそも諒が別れないって言ってる灯里は誰だっていうのが灯里の気持ちだろうし、まあ諒にとっては、そうやって自分に嘘ついて生きてた部分含めて現自分の奥さんな灯里なんだと思うけど、そんなの灯里に言ってもしょうがないしね。聞く耳持ってないって意味で。
なんか色々電波飛ばしてるし、電波飛ばしたくなるはなしではあったけど、光生良いやつじゃんって思うけどなあ。相手の悪いとこあげつらって暮らしてたって、そんなのハッピーじゃないじゃんって独身者は思うw。