最高の離婚/第9話

脚本:坂元裕二 演出:宮脇 亮
別れた旦那に独占欲バリバリの結夏(尾野真千子)に「ああ馬鹿だなあ。灯里(真木よう子)の言う通りだよ」と思いつつあんま責める気にもならんのは、あんま馬鹿過ぎて可哀想になるからですよ。あまりの馬鹿さにw。
だって結夏の言ってることの既視感って、完璧中高校生の恋愛理論だもん。高校時代とかになかった? 「結夏ちゃんはまだ光生君が好きなのに、なんでそんなひどいことできるの」的な。しかも子供ですら勝手な義侠心で周りがおせっかいを焼いてくれる理不尽な主張を、本人が大真面目にしてるんだから頭幼稚にも程があって、「ああほんとに馬鹿なんだなあ」と思うしか。
でも灯里の言うのは完全に正論だけど、灯里だって諒のこと、元々ああいう人間なのは承知の上で一緒にいたんだからさ。反省してもうやらないって言ってんのになんで許さないんだろうっていう点じゃ、おんなじことじゃんって思うんだよねー。
んだってさー。気持ちの食い違いとかちょっとした不満とか、飲み込んでなんとかするのが夫婦じゃんってはなしだと思うんだ。思いやりないとかそういうの、気を使うのが上手くやる秘訣なんだろうけど、そういう自分の悪いとこ、垂れ流しても許して欲しいっていうのも、妻だったり夫だったりに対する正直な気持ちじゃないのかなあ。だって他人じゃないんだからさ。
んで諒(綾野剛)の唐突な仮面夫婦発言は、もともと灯里は気持ちの一方じゃ、諒のこと大嫌いでなんの期待もしてなかったんだってことに、諒自身が気づいたってことなんだよね。