最高の離婚/第10話

脚本:坂元裕二 演出:加藤裕将
綾野君がこのドラマに出ると聞いて以来、「綾野君の一番長いセリフってどれだっけー」と思い続けてまいりました。答え出てないけどね。でももうどうでも良くなった。
結夏ってさー。自分のこと反省したかも知れないけど、それで性格変わるかっていったら無理だと思うんだよね。1日だけなら洗面所きれいに使って部屋を出ていけるかも知れないけど、それは部屋を出ていく1日だけだからで、一緒に暮らせばまたずぼらなことするに決まってるよ。でもさ。「なんでちゃんとできないの」って言われながら許してもらってるのも、結婚生活の楽しみなんじゃないかなあ。
灯里だって、気持ちないっていうほど諒に気持ちないわけじゃないと思うんだよね。諒のしてたこと許せないのはほんとの気持ちだろうけど、許してないこと忘れて笑って暮らすことができる程度に、人間って良い意味で嘘つきだと思うんだ。
なんかやっぱさ。光生にとって結夏が自分の嫁だっていうのは前提なんだと思うよ。
アバンのあれさー。結夏、光生が「紺野さん妊娠した」って言った時に、最初光生の子だと思ったんじゃないかなあ。
んで「ああそうなんだ。私とこの人、もう決定的に終わりなんだ」と思った瞬間諒の子なんだって気づいて、「じゃあ紺野さんとこの人はもうダメかも」と思った瞬間、思った自分が怖くなったんだと思う。だからああいう風に、自分と関係ないところで丸く納めようとする、心ないこと言っちゃうんだよね。でもそういうのって確実に結夏の悪いところが出た結果の光生の怒りで、自分が悪いからこそごめんって言えないのが結夏って人間だよな。
灯里もさー。口で言う程諒に愛情ないわけじゃないと思うんだよね。結婚するけどまた浮気するかも知れない諒は元々そういう人だと分かってるけど灯里が好きになった諒で、灯里はそういう人だと分かっていて好きになった自分が嫌だと思ってるから、縋られて許してしまいたくなる自分が嫌なんだと思う。
まあ灯里も言ってたけど、自分の悪いとこ認められなくて逆切れするのが女だよなー。それにくらべて男どもの素直なことったら。光生の優しさなんて私が結婚したいよ。
ああそういえば、私諒を演じてる綾野君って全然きれいだと思わない。むしろブサイなー、と思う。
でも男として諒はすごい好みだし可愛いと思うし(むしろ「そう思う自分が嫌だ」と思うほどに(^_^;w)、そういういい加減な男を綾野君がリアリティを持って演じてることがすげーうれしい。周防さんの登場からこっち狐につままれた気分でいたけど、ようやく彼の不器用さを愛しんで求めてくれる人がいるんだということを、諒を見ていると実感できる。
てかはなしは面白いし脚本はテクニカルだし演出は冴えてるし、役者は複雑な感情をちゃんと見せてるしほんと神ドラマで良いよなーこれ。
終わっちゃうのが悲しい。