天皇の料理番/第3〜4話

篤蔵(佐藤健)という人間はあまり好きになれないんだけど、このドラマの佐藤健はすごく良いです。なんというか「これぞ佐藤健!」というお芝居的なすごさがあると思う。なんでこんなに良いと思うんだろうと考えてて思い当たったんだけど、篤蔵もやっぱり“無茶な選択や依怙地な願いに捕われた人物”*1だからだわ。
だって今週篤蔵が荒木に殴り掛かったのって、俊子(黒木華)やお腹の赤ちゃんのことを思ってじゃないよね。そこまで綺麗な思いでやったことじゃなく、早く独り立ちしたかったのは本心でも、焦りから楽な方に飛びついただけだよ。
で、自分でも不味いのは分かっていた行為が、いよいよ露見してしまったという場面で今までのように駄々をこねて馬鹿の上塗りをしたっていうだけ。
だけなんだけど、ここで描かれる“馬鹿の上塗り”が、俊子とか厚意を受けた五百木さんの苦境とか、そういうものへの気持ちがあってこそっていうのが篤蔵の困ったとこだよねえ。馬鹿には馬鹿なりの真心があって、でも人として、恩を受けた人の苦境を見捨ててでも裏切っちゃいけないものってあるじゃん。宇佐美さん(小林薫)、篤蔵を引き立てるために荒木を切る気持ちにまでなっていたのに可哀想。一生ついていくんじゃなかったのかよ馬鹿。
病気で田舎に帰る周太郎にいやん(鈴木亮平)とか、真面目に仕事してるだけの辰吉(柄本佑)とか、いろんな人が篤蔵のせいで切ない目に遭ってるなあ。いや篤蔵は篤蔵として生きてるだけなんだけどさw。

*1:龍馬伝★健の以蔵コメ欄参照w。