海月姫/6〜8話

脚本:徳永友一
演出:紙谷楓、石川淳一
仕送り頼みのニート集団に現実的な打開策はなにもない状況において、現実的な頑張りをなにも見せない尼〜ズのドラマに感情移入の余地はまるでないんだけど、相変わらず楽しみなのは瀬戸の蔵之介(瀬戸康史)が見ごたえあり過ぎるからです。キバから10年を経て、こんなに役者瀬戸が気になる日が来ようとは。
いやあのさー。うちをずっと見てた人なら知っているだろうけど、私は瀬戸を好きだったこともなければお芝居に好感を持ったこともない、好きなドラマでも瀬戸の柄で表現された人物像にはあんま共感できねーな、って人間なんですよ。こうしてぞんざいに「瀬戸」と呼んでいるのも、「瀬戸君」ではろくな記事を書いてないからでw。
でも蔵之介をしている瀬戸はすげー好き。蔵之介自体より好き。この役に瀬戸をキャスティングした人は神だと思う。たぶん女装でアップに耐える女顔を最優先でセレクトしたんだと思うけど。
蔵之介はさー。あくまでも“女装が趣味”の男であって、トランスジェンダーじゃないんだよね。同時期に志尊君の「女子的生活」とかあったからすごく思うけど、女装に意味も主張もない。しいていえば月海たち尼〜ズと関わるために必要だから女装してるだけで。
で。蔵之介の現状は、面白がって関わってきた友人たちの危機に、自分でも予想外に感情移入したものの、中心にいる月海への自分の気持ちを把握できないまま、感情の赴くままに気持ちは押し付ける、というはなはだ好感の持てないもののはずなのに、蔵之介が女装男子だという一点でなんかいじらしく見えるのだ。もはやあの格好自体が蔵之介の恋心の隠れ蓑じゃないかとw。
まあ写真ならともかく、動いてる映像であのクオリティで女の服が着こなせるというのもたいがいすごいが、蔵之介の瀬戸はほんと十年選手の貫禄を感じるなあ。
ラストまで面白いと良いんだけど。