メッセージ〜伝説のCMディレクター 杉山登志〜

松田の悟ちゃん目当てに母親から借りた流石姫子のビデオに入ってたので視聴。ドラマは見る気でいたのに忘れてて最後の辺しか見れなかったんで。
この人の名前を知ったのが「バターになりたい」という遠藤みちろうの対談集で、名前が出ていたわけじゃないと思うけど(今、本が手もとにないので確認できず)CMディレクターの川崎徹氏が表現の成熟基準として「制作者から自殺者が出ることと言われている」というはなしをしていて、それは誰なんだろうと調べてみたらこの人だったという。まあある種の人々にとっては伝説的人物ってことなんですが。
TVスペシャルってことで安さが気になる部分もあったけど、藤竜也さん良かったしそれなりだったかな。現代と当時が並行して描かれたシナリオも面白かった。
番組の趣旨として杉山登志という人のエピソードを並べることより、クライマックスの子供がタコヤキを食べるのを見て思わずカメラを回すのが老境にあるといっていい伝命であり、伝命を現場に引っ張り出すのが現代の佐和であることで、黎明期にあった理想と消費を優先される現代が切り離されたものでなく、ものを作る以上理想はあって然るべきものなんだという番組としてのテーマを優先した作りになってたのが面白かったです。
石黒賢新選組!の頃から見た中でこれが一番良かったな。存在感って点で。
佐和のキャラクターは安っぽいしあざといんだけど、テレビで見る2時間ドラマとしては妥当な作りだと思いました。せかされた撮影時のああいうこと言うならそもそも伝命にカメラ頼むのが間違ってるんだけど、テレビで見るならあのくらい分かりやすい方が良いかなーと。
トータルにバランスの良いドラマだった気がします。