1ポンドの福音/FINAL ROUND

ああいい最終回だった。途中経過でどうにもできの悪さにむかついた時期もあったけど、最終回は保存で良いや。間の回は捨てちゃったのも多いけどさ。
大体途中経過が迷走するとラストが良くても「ケッ」ってなるんだけどね。そうならなかったのは毎回エピソードからなにも学ばずに自分の本能押し付ける耕作とシスターの仲が暴走する間も、彼等にとってボクシングとはどんなものかというのをきっちり押さえた番組と役者陣の手柄だよな。耕作の決意を受けて上田がトレーナーになると決意したり、克己がボクシングを始めるって言ったり、堀田が新人王宣言したりさ。「そんなラストだけ都合の良い×××(^_^;」ってならないのは、なんだかんだ言って彼等の中心がボクシングであり、それはそれを否定していた克己にとっても変わらなくて、じゃあ彼等は彼等の信じるボクシングという神様と共にどう生きるんだ?っていうはなしだったってことだよな。だって信仰って本来そういうものだし。
だから迷走の主原因って、耕作がリセット馬鹿だったことよりむしろ、シスターが言ってることは立派でも事実として環境が変わることを怖がってるだけで、彼女にとって神様がどういうものかっていうのをまるで描かなかったことだと思うんだ。院長の煽る態度は十分そういうことを表していたと思うけど、院長とシスター・ミリーとか使えば彼女が耕作を好きになる自分をどう思っているかとか、信仰を貫くってどういうことかとかもっと肯定的に描けたと思うのに。だって番組のシスターってほんと迷惑なだけだったからさ。
シスターに嘘ついて耕作を呼びにくる上田とか、上田が辞めたことにショックを受ける堀田とか、ツンデレの石坂とかみんなそれぞれの立場で耕作のこと考えてて、それを聞く耕作がシスターが去ったショックから立ち上がるのは、みんなの気持ちもだけど、彼等がボクサーだってことも分かってるからだよな。
子供の前でベルトつけて復活する耕作とかマジ名場面。
現実の結婚式では黙認されてるとはいえ、シスターのドレスがベアトップってどーよ、とかそういうのはあったけど、神様と並んで置いてあるチャンピオンベルトとか肝心のところは押さえた番組だったと思う。しかし向田ジムは克己含めてほんと良かったなあ。役者がみんなこのくらいきっちり役作ってくれたらドラマ見る楽しみが違うのになあ。
いっぱい文句言ったけどこのドラマ好きだな。楽しませてもらいました。