銭ゲバ/#1

ジョージ秋山のまんがは基本読んでないです。なんでかつっと怖かったから。世界が滅びるはなしは怖くないけど、生きるために人殺ししちゃう人のはなしは怖いんだよ、分かんないんだもん。人を殺して生きていくより、自分が死んじゃう方が悩みがなくって楽じゃん。
というわけで(どんなわけだ)今21世紀の世に銭ゲバと聞いて、「どうした日本テレビ」と思いつつ、いい加減私もオトナだしオハナシ見て怖いとかないだろう、と余裕ぶっこいて見ましたがやっぱ怖かったよ。怖くて泣きそう。
ところどころ耐えきれずに目ーそらしちゃってましたが、見直すのが怖いよう。
原作は1970年の作品だけどこれは設定現代だよね。1960年頃ならともかく風太郎の子供時代の15年前くらいにここまで迫力のある貧困家庭があったのかとは思うけど、その辺はさしたる問題じゃないよな。
なにが悲惨かって、風太郎の母親がちゃんとした人で、貧しくていじめられてるなりに風太郎を心配してくれる人もいて、それでも一番大切な人がそのちゃんとした生き方を踏みにじられて死んでしまった時には、そりゃあその生き方をなぞろうとか思わないよな。おかあさんが間違ってるとかそういうんじゃなくて、正しいとか正しくないとかじゃなく自分はせめておかあさんを不幸にしたものに復讐しようとしか思えないよな。まあそれだったら、最初にとーちゃん殺せば良かったのにってはなしだけど。
番組中数えるほどしかしゃべってないのにものすごい松ケンがすごいです。つーかスポンサーに降りられてまでなにがしたいんだ日テレ。風太郎のなにが可哀想って、風太郎を傷つけるものってきっと幸福だった記憶なんだよな。おかあさんが食べさせてくれた捨てるような魚の煮付けとか。つかそれが500円って高くね?
すごくつらい思いをした時に、なにも感じないように心を鎧うことで生きていくことって意外とできるんだよね。そういう時って、優しくされたりとかそういうのを思い出したりとかそういうのをうっかり感じることで、よけいなもんまでなだれこんでエライ目に遭うんだよねー。
怖いけど来週も見ると思う。つか殺された男の田口トモロヲが負けず劣らず怖かった。しかしずっと人殺し続けるんだろうか。どこに落とす気だろう、このはなし。