ロック・ユー!

某さんのおすすめをようやく鑑賞。いやあのさ。あんま洋画を見にいかないのは字幕を読むのが面倒なのと(でもお芝居は見たいから吹き替え版はあまり見たくない)単純に東洋人の顔の方が好きだからです。ベストは日本人。といいつつ自分の頭は欧米人なみに黄色いけど(笑。
予備知識はなにもなかったけど面白かった。てか日本版公式サイトのトップ、「決闘血が上がる」ってなにさ。確かに血糖値は上がったけど!←持病の偏頭痛が治まった。
主人の突然の死をきっかけに、身分を偽って貴族しか出られない馬上槍試合に出るようになる平民の青年ウィリアムの恋と冒険の物語って感じ? まあ仲間の従者たちがあまりにもなれなれしいのですごいヒヤヒヤはさせられたんだけど、わりと役者が現代的なのもあり、劇中音楽がクイーンだったりデビッド・ボウイだったりする見せ方も、エンターテイメントとして楽しめた。
てか個人的にはこの状況で恋をして、ジェシカを射止めることが人生の一大事になってしまうウィリアムが分からない。おまえそんな場合じゃねーだろ(^_^;。途中ジェシカに気持ちを証明するために負けろと言われて、本気で負け続けるシーンは両方に殺意が湧いたよw。
んでジェシカと結婚しようとするアダマーに身分を明かされ、捕まれば殺されるから逃げろとみんなに言われながら、あくまで留まって試合に出ようとするウィリアムがもうどうにもならないってところで彼を助けるのが以前彼が身分を知った上で勝負したエドワード王子で、王子が彼と自分の相似点を理由に爵位を与えるところはすっとした。王子にしてもウィリアムにしても、「身分を偽る」なんていうのは人の言うことで、証明したいのは自分の勝利であり自分自身なんだよね。だから解放されたウィリアムがそれまでの偽名ウルリック卿とか嘘の来歴を騙らず、真名のウィリアム・サッチャー卿としてアダマーを落馬させたところは胸がすっとした。卑怯な手でウィリアムを殺してしまおうとしたアダマーに対し、ウィリアムはあくまでも自分が彼に勝利できる人間だ、ということを証明したんだよね。
冒頭でオープニングテーマであるクイーンの「WE WILL ROCK YOU」に合わせて訳詞が出るんだけど「俺がおまえを動かしてやる」というこの曲はともかく、エンディングの「WE ARE THE CHAMPIONS」はウィリアムの歌じゃないと思うなあ。訳詞見てて「うわー。龍騎みてー」と思った自分に軽く笑ったんだけど、なんかこういうのって平民の感覚じゃないと思う。生きていくために戦い続ける、勝利し続ける、って偉く聞こえるけどなんか病んでるよー。
まあ面白かったです。主役の彼はダークナイト(近くに来なくて見そびれた)に出てたけど死んじゃったのね。今度見てみよー。

ちょこっと追記。

つっこみがあったんでちょっとだけ。
WE ARE THE CHAMPIONS」はもち以前から知ってた曲だし、訳詞も読んでて「不当に貶められて悔しい思いもしたけど、僕らは勝利者だよ!」という、彼等自身の経歴に基づいた前向きな歌だと思ってました。んで、あの曲のあの曲調で聞く分には今でもそう思ってるけど、字幕で見た時は「僕達はチャンピオンだ。負けたら死んじゃうよ!」と言っているように見えてしまったんです。たぶん訳し方の問題。
なんかそういう、断片的な言葉が違ったニュアンスで飛び込んでくる感じがあるんで字幕は苦手だってだけのはなし。台詞は演技のニュアンスで読むけど、これは歌詞だったんでそのまんま入ってきたら感じが違和感あった、ってだけですね。