仁/#3

http://www.tbs.co.jp/jin2009/
今週も面白かったー! 画面に映っているものや些細な反応が全部意味を持つ脳みそ使った番組だなあ。こういうの見るとうれしくなるよ。
江戸時代と今じゃ世の中に回ってる情報量も常識も違うから、看護学科の生徒とかだって今週大腿静脈の説明をしようとした時の咲みたいな反応はしないだろうけど、あの時代の武家のお嬢さんの咲にしたら喜市みたいな子供のでも男の体見るとかとんでもないことで、でもその反射的な羞恥心を超えたところにある咲の覚悟や意志が、仁の危機を救う手段を咲に教えてたわけで。
命は平等だっていっても知らない人の命と知ってる人の命はどうしたって同じじゃないんだから、大切な人の危機にはその人になにかしたいと思うけど、事実として心配なんかしてもらってもなんの役にも立たないんだから、だったら役に立つことをできるとこでやっててくださいっていうのは正論だよな。
誰かの命を救うことでその人に関わる歴史は変わるかも知れないけど、馬に蹴られて死ぬはずだった多江さんが結局辻斬りに殺されたとしても、喜市は母親が自分をかばって怪我して死んでしまうんじゃないかと思った母親が助かることを喜べたし、多江も助からないと思った子供が助かったことを喜べた。「人は誰でも死ぬ」というのはきっと今より死が身近だった頃には当たり前に受け入れるしかないことだったんだろうけど、それでもあるに決まっている大切な人を失う悲しみに対して、誰かがその人のために頑張ってくれたという事実の量って無関係じゃないよな。なす術もなくどうしようもなく死んじゃうより、誰かが身を削って手を尽くしてくれたけどダメだったっていう方がマシに決まってるもん。
仁の言葉が緒方や恭太郎を動かして、それによって動いた勝の思想が竜馬を動かす流れもわくわくした。咲も恭太郎も栄も今週もその人らしく良かったし、咲の言葉が仁の無力感を救う展開も納得行った。人間を良い方向に動かすものって、結局善く生きてる人への感動だと思う。そういう意味でこういう番組ってほんと意味があると思うよ。