東京DOGS●能無しキャリアはあぶない刑事の夢を見るか

今週のはなし見て思ったんだけどさ。
堀川@勝地涼の行動が「おまえそんなことやってないで特殊捜査課に電話しろよ!」と言われるのはまあ当然で、むしろそうやって見てる方につっこませるために、堀川ってキャラはいるんだと思うんだよね。
ただ堀川視点でものを考えればあの行動は、もっともとは言わないまでも納得はできるもんだと思うんだ。由岐@吉高由里子をガードしながら監視するために、特殊捜査課の仕事を離れて堀川のやってることが実質カフェの店員で、堀川が腐ってることは先週からシーンや台詞として見せてたし。だから今週のはなしで犯人がどこにいるか知った堀川が、マルオ@水嶋ヒロや奏@小栗旬に電話が繋がらなかった時に、特殊捜査課に電話して「犯人がそこにいます」と言えなかった、刑事らしく自分で犯人を捕まえたいと思った気持ち自体は分かるんだよね。それが正しいかどうかは別として。
だからむしろ不思議なのは、なんで堀川も由岐も、ここで犯人を捕まえることが人生の一大事であるかのような沈鬱なトーンでやってるのかってことなのね。基本的に堀川にしても由岐にしてもマルオにしても、この番組のキャラってわりとテンションの高い考えなしな人間で、だからこそこの番組の穴だらけな展開が成り立つと思うんだ。警察組織の人間がこんなマヌケだなんて、マトモに考えたらやってらんねーよ。
堀川のやったこととか、#1くらいのトーンだったら「バカだなあ」ですむことだし、バカのやることだからはなしとして成立するんだよね。
鈴江@捜査課のオヤジ刑事が大山@細田よしひこを説得するとことか、あそこほんとは笑わせるとこだったんじゃないの? 由岐が甲斐崎に誘われるとこも、“憎からず思っている相手に食事に誘われるシーン”として、気を持たせつつ駆け引きするシーンで良かったんじゃないのかな。
どんどんドラマがつまらなくなるのは、脚本家の思ってるはなしと演出家の思ってるはなしが違っちゃってるせいじゃないかと思うんだよね。このドラマって基本的に、いい加減な人とズレた人が、なにかしようとする時のかみ合わなさを笑いつつ、笑っていたくてもそれを許さない悪意を最終的にどう駆逐するかってはなしなんじゃないのかなー。設定と序盤のはなしを見る限り。
やってることのつじつまが合わないのなんてゲツクじゃいつものことだけど、つじつまを合わせることのできる人物造形なんて、役者の理解があれば可能なんだよね。今週のはなしを見る限り、演出がその邪魔をしてるんじゃないかと思っちゃうんだけど……。