龍馬伝/第8話「弥太郎の涙」

http://www9.nhk.or.jp/ryomaden/index.html
演出:渡辺一貴
1856年。龍馬21才、以蔵18才、武市25才、弥太郎22才(生年より単純計算)
今週も渡辺一貴。はなしは重かったが基本的にはホームドラマのトーンかな。冒頭の坂本家の感じはかなりコメディっぽいし、弥太郎(香川照之)周りも家族の繋がりを描いた良いはなしだった……が。
いや武市さん(大森南朋)とか吉田東洋田中泯)とか人気キャラなのにとんだ冒険だね。チャレンジングな見せ方で思わず声が出たわ。でもまあ東洋の言ってることは正論というか、発言したかったら発言力のある立場になれ、っていうのは正論だと私は思うがなあ。確かに弥二郎(蟹江敬三)が受けた仕打ちは理不尽だけど、身分で不当な扱いを受けるなんて普通のことだし(上司がアホで仕事が増えるなんて、今でもあるはなしじゃん)それにいちいち肩入れして大岡裁きをしてくれるような、善政を目指した人ではないってはなしだろ?
武市さんだってそら今の目から見たら攘夷なんてできるわけないじゃんって思うけど、それこそ土佐で虫けらみたいに扱われてた下士の武市が直々に殿様に声とかかけてもらったら、ここにこそ自分の未来に繋がる道があると思い込んじゃうのもしょうがないと思うんだよね。それは黒船を見た龍馬(福山雅治)に開国に向かう世の中の実感があるように、そういうものを見る術もない場所である種光を見ちゃった武市の道を照らす灯りだったと思うんだ。現に武市は、そういう意見の中心になることで力を持っては行くんだからさ。
そういう感情は世界を向いた龍馬や現実の見えた弥太郎に比べたらすごい視野の狭い利己的なものかも知れないし、そもそも龍馬を主人公としたこのドラマで武市の意見が愚かなものと描写されるのは当然だと思うんだよね。その中でその愚かさの根拠をちゃんと描くこのドラマの武市像はむしろ萌えだと思うんだけど、聡明な武市さんじゃないと怒ってる人がなんで多いのかなあ。あ。こういう人が嫌いだっていうのは普通の意見だと思うからそれは良いよ。
ただそういう間違った希望に導かれて、祖母への気持ちより自分が正しいって証明するためにお江戸まで目指しちゃう武市の愚かさって悲しいなあ、って思うよ。ここにはもう#1や#2の、友達思いで優しい武市さんはいないんだもん。
んでお江戸に以蔵(佐藤健)を伴う理由を「藩が金出してくれたから」にしちゃう辺り、腐女子涙目ですねw。
でも土佐しか知らず武市よりお馬鹿な以蔵が光を目指せば、武市の後をついていくしかなかった気持ちもやっぱ分かるよ。だって土佐の中で下士でいるって言うことは、今週の弥太郎みたいな目に遭うってことだもん。そらー虫けらでなくなる方法があるならなんだってするよって思うし、一人前に見てもらえば舞い上がっちゃうよなあ。可哀想な以蔵w。←笑うな。
まあ一応出世への足がかりをつかんだ状態で、虫けらなりのプライドをとっちゃう弥太郎はほんと不器用だなあって思うけどさ。つっか龍馬ってこの間佐那(貫地谷しほり)にプロポーズされてた気がするのに加尾(広末涼子)が好きなんだ。すげーな。
まあ今週も面白かったです。来週が楽しみv。