タンブリング/#9

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脚本:江頭美智留 演出:浜 弘大
脚本江頭美智留でごくせんになるんじゃないかと心配してたらやっぱりだよ、って感じ。むしろよくこのレベルで持ちこたえた。演出と役者GJ。
退場した赤羽(伊阪達也)が復活して暗躍するのは想定内というか予定どおりだろうけど、そのために新キャラ入れてもめさせ、1週間で退場させる流れがご都合だなあというか、このレベルのご都合展開に目くじら立てててドラマが見られるか、というはなしだからそれは良いんだけど。金子(タモト清嵐)が矢代(佐野一真)を信じたいと思う気持ちは気持ちとして、飛べない金子が矢代に教えてくれっていうのは違うだろ? 新体操の大技って、彼等新体操部員が築き上げた努力の結果じゃん。なんで新入部員の矢代に教えろっていうの。
ずっと新体操で頑張ってきて、だからこそ航(山本裕典)たちの不良行為をことある毎に批判してきた金子がそんな“分かってない”ことをいうのがごくせんだって言うんだよ。金子の矢代への信頼が信頼というより思い込みで、だって金子は矢代を信頼してたんじゃなくて、昔のこうちゃんに戻って欲しかっただけじゃん。そんな思い込みのために部員に犠牲を強いるなよ。
今週水沢(柳下大)がやってた“不良への偏見を口にしてヤンキー軍団の怒りを買う”ポジションなんかいつもなら金子の役回りで、それを今週ははなしの都合で金子がやれないから水沢がやってるって辺りがご都合だなあとしか。柳下君可哀想。水沢が例のはなしで金子に言ったのって、「おまえは一言多いけど、その一言でみんなを繋いでる」ってもんだろ? どの口で今週みたいなことやってんの(θ_θ;。「体重が軽いから金子」っていうのも分からん理屈というか、金子でやってみてできなかったら、じゃあちょっとくらい重くても高く飛べるやつにしようか、とかそうなるのがほんとじゃん。
という風にいくらでも文句の出る脚本を、「それでも金子は矢代に変わって欲しいんだ」という気持ちに理解を示す航のキャラの波及力、という風に見せた演出とキャストは偉いと思う。でもいつもくらいの脚本だったら、もっと良いはなしになっただろう、と思っちゃうからなあ。ほんともったいないよ。
離れた気持ちをTシャツで見せたり、そういうところは頑張ってた。でも結局矢代を変えたものがなんなのか分からないってところがなあ。ああもったいない。