絶対零度〜未解決事件特命捜査〜/#10

http://www.fujitv.co.jp/C-273/index.html
脚本:浜田秀哉 演出:岩田和行
来週最終回だけど今週も演出は岩田和行。結局演出はこの人と村田正典の二人体制でいくんかなあ。ずっと坂元脚本で演出も少数の日テレmotherとかもそうだけど、いつものその枠に比べて意外なほどできの良い作品が来ると、誰か音頭取ってる人がいるのかと思うよ。ほんとのとこは知らんけど。
今週は脚本の面白さとしてはそんなたいしたことなかったんだけど、演出で面白くなってた感じかなあ。まあ最早キャラも立ってるし、キャストがわちゃわちゃやってるだけでも面白いけど。
しかし殺された浅井(斎藤歩)の糞っぷりがひどいっつうか、そもそも三枝(二階堂智)が浅井殺しの犯人にされたバーでのいざこざ自体、仕事の資料なんかそんなとこで広げてんなよ。まあ研究室で研究してる場合、誰がなにを研究してるかとかどういう成果が出そうかどうかとかは他の人間にもある程度分かるだろうから、論文丸ぱくりで出すとかならともかく浅井みたいなことは現実にはできないだろうし、アルツハイマーになったから研究できないとかならともかく、他人に成果を渡す筋合いはないと思うけど。
つか樋口がともさかりえだった時点で誰かをかばってるんだろうなあ、と思っちゃうのはあるんだけど、その理由である樋口と教授(浅野和之)の関係とか、桜井(上戸彩)が樋口の人物に思い入れる根拠になる樋口の見せ方とかがちゃんとしてるんで、見ているこっちも真実が樋口にとってつらいものじゃないように、と祈っちゃうのが桜井の気持ちにシンクロするからだ、って辺りがこの番組の良いとこだと思うんだよねえ。そうして見えてくる樋口の人物像と事件の概略への違和感が真実が分かったところで腑に落ちて、エンディングの余韻になるのが上手いと思う。樋口が教授の備忘メモの自分に関わるものを悪意あるものに書き換えて、自分にとっては宝物に等しいような彼女への信頼の言葉を破り捨てるシーンは珠玉といって良い。持っていても良いじゃんそれ"(ノ_・、)"。
これといって視聴モチのない番組だったけど、今期はこれが儲け物だったなあ。こういう番組に会うとうれしくなるよ。