遺恨あり〜明治十三年最後の仇討〜

脚本:後藤法子、源 孝志 演出:源 孝志
今年2月に放送された番組の再放送。O.A.の時は見逃しました。でも面白かったよ。
なんつうか時代が変わることを受け入れた気でいる人たちが、ちょっとしたタイミングで蓋をしたプライドのスイッチを押され、結局はその割り切れなさを六郎(藤原竜也)に託すところがリアルだなって。つってもここまで駄々をこねる気力のある人はむしろ稀で、大半は割り切れなくてもなにもできないまま憤りや悔しさをなかったことにして生きていくんだろうけど、そこは六郎の叔父みたいに、「仇討ちを遂げたと知ってすっとした」って本音になるのはしょうがないんだろうな。
でも武士の誇りとか士族の身分とかそういう土台の消えた後に、人のそういうのを負わされる六郎が不憫だなって。
悪夢に脅えて起きる六郎と同じように、一瀬(小澤征悦)も夢に脅える生活をしていて、って辺りでぼんやり「それでも、生きていく」思い出したり。全体に消えていく“武士”という人たちのはなしなんだけど、六郎が解放された的に終わったことにほっとした。